吉備津の釜

次の文章は、『雨月物語』の中の「吉備津の釜」というお話の一節です。
ある人が結婚するときに、吉備津神社の釜を使った占いをしたところ凶と出ました。その結婚後についてのお話です。
以下は、ラストの一文です。

御釜の凶祥もはた違はざりけるぞ、いとも尊かりけると語り伝へけり。

訳として正しいものはどちらでしょうか。

a、占いとは異なり幸せになったのは吉備津神社のおかげだ。吉備津神社の占いはとても尊い。
b、占いどおりになった。吉備津神社の占いはとても尊い。


答 b 占いどおりになった。吉備津神社の占いはとても尊い。
「違はざりける」は「違わなかった」という意味です。占いで出た吉凶がそのとおりになりました。つまり、二人の結婚はうまくいきませんでした。
ちなみに、ラストシーンでは夫は妻の死霊に殺されます。
「戸わきの壁になまなましき血そそぎ流れて地に伝ふ。されど屍も骨も見えず」「軒の端に(中略)男の髪の髻ばかりかかりて」という状態でした。
吉備津神社の占いはとても尊いことですね。