【エリーゼ視点】
「う、ん……っ」
翌朝、差し込む柔らかな光の中で目を覚ました私は、全身を包む心地よい気だるさと、肌に残る圧倒的な熱の記憶に、一瞬で顔から火が出るほど赤くなった。
隣を見れば、シーツを腰に巻いた姿のレオンが、私を愛おしそうに見つめていた。彼の銀色の耳はどこか満足げにパタパタと揺れており、その琥珀色の瞳には、昨日までのような「我慢」の影は一切ない。
「起きたか、俺の可愛いお嬢様」
「レ、レオン……! 私、あんな、恥ずかしい声を……っ」
私は慌ててシーツを頭まで被ろうとしたけれど、レオンの大きな手に優しく遮られ、そのまま彼の逞しい胸の中へと引き寄せられた。肌と肌が直接触れ合い、彼のドクドクと力強い心音が、私の背中に直接伝わってくる。
「今更隠すな。昨夜のお前は、本当に愛らしかった。……どこか、痛むところはないか?」
「……大丈夫よ。レオンが、優しくしてくれたから」
彼の胸に顔を埋めながら、私は小さく呟いた。
前世の病室では、誰かにこんな風に強く抱きしめられることも、愛されることも知らなかった。破滅するはずだった悪役令嬢の私が、今、世界で一番強くて優しい狼の騎士に、すべてを捧げて愛されている。
ふと自分の鎖骨のあたりに目をやると、そこには彼が昨夜、情熱的に残していった、赤く小さな「愛の痕跡(キスマーク)」がくっきりと残っていた。
「あ……これ……」
「お前が俺のものだという証拠だ。これで、下界の公爵家が何を言おうと、お前を連れ戻すことはできない」
レオンは少し独占欲を隠さない顔で笑うと、私の額に、今度はいつもの優しいキスを落とした。
第六十一章:世界の果てへ、広がる翼(エリーゼ視点)
お昼近くになり、私たちはようやく身支度を整えてテラスへと出た。
昨日完成させた『天蓮聖水』の小瓶が、テーブルの上で太陽の光を浴びてキラキラと青紫色に輝いている。
「ねえ、レオン。この薬をギルドに納品したら、きっとすごいお給料になるわ。そうしたら、次はこの山脈を越えて、王国の影響が完全に及ばない『獣人の国』へ行きましょう?」
「俺の故郷か。いいな。お前を俺の族長や仲間に、俺の『妻』として紹介できる」
「つ、妻……っ!?」
レオンが平然と放った破壊力抜群の言葉に、私はまたしても真っ赤になって固まってしまった。レオンはそんな私を見て、楽しそうにクスクスと低く笑っている。
「冗談ではないぞ。俺はお前を生涯離す気はないからな。……行こう、エリーゼ。お前が望む、自由な世界の果てまで」
「ええ……! 行きましょう、レオン!」
私たちはしっかりと手を繋ぎ、満面の笑みで雲海を見下ろした。
実家の檻を壊し、悪役令嬢の運命を跳ね除け、私は今、最愛の人の隣で本物の「自由」を手に入れた。
「う、ん……っ」
翌朝、差し込む柔らかな光の中で目を覚ました私は、全身を包む心地よい気だるさと、肌に残る圧倒的な熱の記憶に、一瞬で顔から火が出るほど赤くなった。
隣を見れば、シーツを腰に巻いた姿のレオンが、私を愛おしそうに見つめていた。彼の銀色の耳はどこか満足げにパタパタと揺れており、その琥珀色の瞳には、昨日までのような「我慢」の影は一切ない。
「起きたか、俺の可愛いお嬢様」
「レ、レオン……! 私、あんな、恥ずかしい声を……っ」
私は慌ててシーツを頭まで被ろうとしたけれど、レオンの大きな手に優しく遮られ、そのまま彼の逞しい胸の中へと引き寄せられた。肌と肌が直接触れ合い、彼のドクドクと力強い心音が、私の背中に直接伝わってくる。
「今更隠すな。昨夜のお前は、本当に愛らしかった。……どこか、痛むところはないか?」
「……大丈夫よ。レオンが、優しくしてくれたから」
彼の胸に顔を埋めながら、私は小さく呟いた。
前世の病室では、誰かにこんな風に強く抱きしめられることも、愛されることも知らなかった。破滅するはずだった悪役令嬢の私が、今、世界で一番強くて優しい狼の騎士に、すべてを捧げて愛されている。
ふと自分の鎖骨のあたりに目をやると、そこには彼が昨夜、情熱的に残していった、赤く小さな「愛の痕跡(キスマーク)」がくっきりと残っていた。
「あ……これ……」
「お前が俺のものだという証拠だ。これで、下界の公爵家が何を言おうと、お前を連れ戻すことはできない」
レオンは少し独占欲を隠さない顔で笑うと、私の額に、今度はいつもの優しいキスを落とした。
第六十一章:世界の果てへ、広がる翼(エリーゼ視点)
お昼近くになり、私たちはようやく身支度を整えてテラスへと出た。
昨日完成させた『天蓮聖水』の小瓶が、テーブルの上で太陽の光を浴びてキラキラと青紫色に輝いている。
「ねえ、レオン。この薬をギルドに納品したら、きっとすごいお給料になるわ。そうしたら、次はこの山脈を越えて、王国の影響が完全に及ばない『獣人の国』へ行きましょう?」
「俺の故郷か。いいな。お前を俺の族長や仲間に、俺の『妻』として紹介できる」
「つ、妻……っ!?」
レオンが平然と放った破壊力抜群の言葉に、私はまたしても真っ赤になって固まってしまった。レオンはそんな私を見て、楽しそうにクスクスと低く笑っている。
「冗談ではないぞ。俺はお前を生涯離す気はないからな。……行こう、エリーゼ。お前が望む、自由な世界の果てまで」
「ええ……! 行きましょう、レオン!」
私たちはしっかりと手を繋ぎ、満面の笑みで雲海を見下ろした。
実家の檻を壊し、悪役令嬢の運命を跳ね除け、私は今、最愛の人の隣で本物の「自由」を手に入れた。


