好感度を上げればボーナス仕様の乙女ゲーム世界で、攻略対象の王子様をメロメロにさせすぎてごめんなさいっ★

 そこで、彼はあらぬ方向を一瞥した。本来ならば何か物音が聞こえたから、視線を向けたのかな……? 程度のそんな動きだ。

 しかし、前世知識を持つ、私は知っているのだ……そこには『王家の影』と呼ばれる存在が居て、王太子たるカーヴィス殿下の命を忠実に実行することを……。

 ひえー!! あれって、私に手を出すなって、ルチル様へ脅しに行けってことだよね!? おそらくは、ルチル様のご両親にも……? 怖すぎなんだけど!

 ……うちの両親なんて、私が王家に嫁ぐなんて知ったら、きっと二人とも卒倒しちゃう。

 とにかく、落ち着こう。私が落ち着くべきよ。いろいろとちゃんとした説明をすれば、わかってくれるはずだけど、今はカーヴィス殿下も気が立っているみたいだから。

 時間を置くべきよ……うん。そうしましょう。事情説明は、明日の私、頑張れ。すべての面倒事は明日の私にぶん投げ、とにかくここは適当に切り抜けることに決めた。

「そのその、ですね。カーヴィス殿下って……いつ、私と婚約しても良いって……思ったんですか?」

 私はそれは、普通に疑問に思った。