「って、他人事のように語ってみたけど、我ながら、凄い波乱万丈っぽいよね〜」
フゥと、ため息をついてレイラはお茶を一口飲んだ。
「しかも3国からほぼ同時に2〜3人ずつ側室が送り込まれれば、そりゃ、数合わせの私なんかが見向きもされないのは当然だって」
「だからって、この扱いはあんまりです!」
無邪気な仕草で肩をすくめるレイラに、侍女として共にやって来た少し年かさの少女がワッと泣き伏した。
「確かにお嬢様は森で野生児並みにのびのびと育てられて、淑女のたしなみも礼儀も今ひとつですけど、それでも、身分的に言えば今回嫁いできた方々の中でも上位に当たるんですよ!」
「うん、なんか前半落とされてる気しかしないけど、気のせいかな?ユリア?」
一息に言い切られた言葉の中身にレイラの頬が微かに引きつるが、興奮したユリアと呼ばれた侍女は止まらなかった。
「それがなんでこんな後宮でも端の端。使用人棟どころか業者用の裏門に近いこんな場所にお部屋を賜らなくてはならないんですか!?」
悲鳴のような叫び声に、しかしレイラは冷静に再び肩をすくめて見せた。
「まぁ、それは私がまだ12の小娘で、容姿もスタイルもパッとしない、実家も投げやりでほぼ後ろ盾も無い、とりあえず数合わせの存在だからでしょ。
いっそ、こんな子供はいらんって国に送り返してくれたら良かったんだけど、国同士の事だからそうもいかなかったんだろうね。
私以外の2人は、身分はともかく見た目は極上品だし」
確か、急遽養子にしたんだっけ?とつぶやきながら、レイラはもう一口お茶を飲んだ。
ちなみに今飲んでる茶葉は国からの支給品である。なかなかに美味しい。
「レイラ様だって、雪の妖精に例えられる程美しいお母様の血を引いてらっしゃるんです!育てば美人になるはずです!………たぶん」
「………最後で弱気にならないでよ。結構傷つくんだからさ」
尻すぼみのユリアの言葉に、それでもレイラは苦笑1つですませた。
レイラの母親は、侯爵に見初められる程であるから、とても美しかったそうだ。
華奢な体に雪のような真っ白な肌。
吸い込まれそうな菫色の瞳に紅を塗ってもいないのに赤い唇。
たおやかな仕草に美しい金の髪はまるで月の光をつむいだかのよう。
歌と舞いの名手で、彼女が歌い踊れば観客は時間を忘れて見惚れたそうだ。
高位貴族で目の肥えているはずの父親の目をも奪ったのだから、相当だったのだろう。
レイラ自身は絵姿でしか見たことは無いけれど、確かにとても美しい人だった。
対して、レイラ。
森を駆け回って育ったため引き締まった肢体に小麦色の肌。
頬にはソバカスが散っている。
瞳は大きいものの顔が小さすぎる為、どちらかと言えばギョロリとした印象が強い。
礼儀作法、なにそれ美味しいの?な生活だったため、仕草も声もお貴族様から見たらさぞかし粗野に映ることだろう。
瞳と髪の色だけは辛うじて遺伝したようだが、絵姿ではまっすぐな流れるような母親に対し、レイラの髪はウネウネと波打っている。
量も多い為、雨の日には大爆発で大変面倒くさい。
「………まぁ、良いじゃない。
王様は今年で40になられるそうだし、こんな子供に興味を持ったらそれはそれで怖いでしょ。
側室も今回ので40人超えたっていうし、ここでノンビリさせてもらおう。
なにもしなくても最低限の衣食住は保証されるみたいだし、ありがたい話じゃない」
不満顔のユリアを宥めながら、レイラはお茶を飲み干すと窓の外を眺めた。
実はレイラはこの部屋が一目見たときから気に入っていたのだ。
フゥと、ため息をついてレイラはお茶を一口飲んだ。
「しかも3国からほぼ同時に2〜3人ずつ側室が送り込まれれば、そりゃ、数合わせの私なんかが見向きもされないのは当然だって」
「だからって、この扱いはあんまりです!」
無邪気な仕草で肩をすくめるレイラに、侍女として共にやって来た少し年かさの少女がワッと泣き伏した。
「確かにお嬢様は森で野生児並みにのびのびと育てられて、淑女のたしなみも礼儀も今ひとつですけど、それでも、身分的に言えば今回嫁いできた方々の中でも上位に当たるんですよ!」
「うん、なんか前半落とされてる気しかしないけど、気のせいかな?ユリア?」
一息に言い切られた言葉の中身にレイラの頬が微かに引きつるが、興奮したユリアと呼ばれた侍女は止まらなかった。
「それがなんでこんな後宮でも端の端。使用人棟どころか業者用の裏門に近いこんな場所にお部屋を賜らなくてはならないんですか!?」
悲鳴のような叫び声に、しかしレイラは冷静に再び肩をすくめて見せた。
「まぁ、それは私がまだ12の小娘で、容姿もスタイルもパッとしない、実家も投げやりでほぼ後ろ盾も無い、とりあえず数合わせの存在だからでしょ。
いっそ、こんな子供はいらんって国に送り返してくれたら良かったんだけど、国同士の事だからそうもいかなかったんだろうね。
私以外の2人は、身分はともかく見た目は極上品だし」
確か、急遽養子にしたんだっけ?とつぶやきながら、レイラはもう一口お茶を飲んだ。
ちなみに今飲んでる茶葉は国からの支給品である。なかなかに美味しい。
「レイラ様だって、雪の妖精に例えられる程美しいお母様の血を引いてらっしゃるんです!育てば美人になるはずです!………たぶん」
「………最後で弱気にならないでよ。結構傷つくんだからさ」
尻すぼみのユリアの言葉に、それでもレイラは苦笑1つですませた。
レイラの母親は、侯爵に見初められる程であるから、とても美しかったそうだ。
華奢な体に雪のような真っ白な肌。
吸い込まれそうな菫色の瞳に紅を塗ってもいないのに赤い唇。
たおやかな仕草に美しい金の髪はまるで月の光をつむいだかのよう。
歌と舞いの名手で、彼女が歌い踊れば観客は時間を忘れて見惚れたそうだ。
高位貴族で目の肥えているはずの父親の目をも奪ったのだから、相当だったのだろう。
レイラ自身は絵姿でしか見たことは無いけれど、確かにとても美しい人だった。
対して、レイラ。
森を駆け回って育ったため引き締まった肢体に小麦色の肌。
頬にはソバカスが散っている。
瞳は大きいものの顔が小さすぎる為、どちらかと言えばギョロリとした印象が強い。
礼儀作法、なにそれ美味しいの?な生活だったため、仕草も声もお貴族様から見たらさぞかし粗野に映ることだろう。
瞳と髪の色だけは辛うじて遺伝したようだが、絵姿ではまっすぐな流れるような母親に対し、レイラの髪はウネウネと波打っている。
量も多い為、雨の日には大爆発で大変面倒くさい。
「………まぁ、良いじゃない。
王様は今年で40になられるそうだし、こんな子供に興味を持ったらそれはそれで怖いでしょ。
側室も今回ので40人超えたっていうし、ここでノンビリさせてもらおう。
なにもしなくても最低限の衣食住は保証されるみたいだし、ありがたい話じゃない」
不満顔のユリアを宥めながら、レイラはお茶を飲み干すと窓の外を眺めた。
実はレイラはこの部屋が一目見たときから気に入っていたのだ。

