だけど、あの時会ったのは、そんなか弱いご令嬢なんかではなく、隊服は着ていなかったけれど明らかに若い騎士だった。
服の上からでもわかる、しなやかに鍛えられた体。
切れ長の瞳は真面目そうで、引き締まった口元は凛々しかった。
まるで物語の中に登場しそうな整った顔立ちの青年。
対してこちらは、王宮の森から勝手に植物採取して生活の糧にしているいわばコソドロの様なもので。
(そりゃ、逃げるでしょ)
レイラの立場的に、刑に処されるとかはないかもしれないけれど、やっぱりマズイと世事に疎いレイラにすら予想はつく。
だけど、忘れてきてしまったカゴのことを思い出せば、心は揺れた。
この森では珍しい薬草を、久し振りに見つけて採取してたのだ。
滅多に手に入れることができないということは、つまり希少価値の高い薬が作れるということだ。
それに合わせて、この間「作れたら全部買い取りたい」と商人に強請られた強めの鎮痛剤や傷薬の原料もたっぷり入っていた。
見つけた瞬間、レイラの頭の中ではあらゆる算段が始まっていたというのに……。
根は残してるし全部取る様なヘマはしていないから、時間が経てばまた採れる様になるとは思うけど、それには最低一月近く待たなければならない。
それに、採取カゴはこの生活が始まってから初めて自分で蔦から編んだもので思い入れもある。
(もしたら、気づいてないかもだし)
結局、欲に負けたレイラが、あまりにも楽観的な事を自分に言い聞かせながら、あの場所にそっと足を向けたのは、逃げ出した日から3日後の事だった。
そうして、レイラは自分が腰掛けていた倒木の上に見慣れたカゴを見つけることになった。
(やった!見逃されたんだ!)
喜んで駆け寄ったレイラは、そうして手に取ったカゴの中身にピキンと固まる事となる。
そこには、何故だか綺麗に包まれた焼き菓子と飾り気のない白い封筒が入っていた。
しばし固まった後、ようやく我に返ったレイラは恐る恐るその封筒を摘み上げた。
中には同じく真っ白なカードが1枚。
そこには少し角ばった綺麗な文字が踊っていた。
『中の薬草はお預かりして、現在我が家にて乾燥させています。お返ししたいので5日後の正午にここでお待ちしています』
整っているけれど力強さを感じさせる筆跡は紛れもなく男性の物で、おそらくあの時に会った騎士からのメッセージであろう事は容易に想像がついた。
と、いうか、状況的にもそれ以外考えられない。
服の上からでもわかる、しなやかに鍛えられた体。
切れ長の瞳は真面目そうで、引き締まった口元は凛々しかった。
まるで物語の中に登場しそうな整った顔立ちの青年。
対してこちらは、王宮の森から勝手に植物採取して生活の糧にしているいわばコソドロの様なもので。
(そりゃ、逃げるでしょ)
レイラの立場的に、刑に処されるとかはないかもしれないけれど、やっぱりマズイと世事に疎いレイラにすら予想はつく。
だけど、忘れてきてしまったカゴのことを思い出せば、心は揺れた。
この森では珍しい薬草を、久し振りに見つけて採取してたのだ。
滅多に手に入れることができないということは、つまり希少価値の高い薬が作れるということだ。
それに合わせて、この間「作れたら全部買い取りたい」と商人に強請られた強めの鎮痛剤や傷薬の原料もたっぷり入っていた。
見つけた瞬間、レイラの頭の中ではあらゆる算段が始まっていたというのに……。
根は残してるし全部取る様なヘマはしていないから、時間が経てばまた採れる様になるとは思うけど、それには最低一月近く待たなければならない。
それに、採取カゴはこの生活が始まってから初めて自分で蔦から編んだもので思い入れもある。
(もしたら、気づいてないかもだし)
結局、欲に負けたレイラが、あまりにも楽観的な事を自分に言い聞かせながら、あの場所にそっと足を向けたのは、逃げ出した日から3日後の事だった。
そうして、レイラは自分が腰掛けていた倒木の上に見慣れたカゴを見つけることになった。
(やった!見逃されたんだ!)
喜んで駆け寄ったレイラは、そうして手に取ったカゴの中身にピキンと固まる事となる。
そこには、何故だか綺麗に包まれた焼き菓子と飾り気のない白い封筒が入っていた。
しばし固まった後、ようやく我に返ったレイラは恐る恐るその封筒を摘み上げた。
中には同じく真っ白なカードが1枚。
そこには少し角ばった綺麗な文字が踊っていた。
『中の薬草はお預かりして、現在我が家にて乾燥させています。お返ししたいので5日後の正午にここでお待ちしています』
整っているけれど力強さを感じさせる筆跡は紛れもなく男性の物で、おそらくあの時に会った騎士からのメッセージであろう事は容易に想像がついた。
と、いうか、状況的にもそれ以外考えられない。

