「栗原さん、先に休憩どうぞ」
「行って来ます」
チェックアウトの混雑を終えてカウンターから離れ裏のこじんまりとした休憩室でパン1個を頬張りつつSNSをチェックする。
いつ何時お客様から質問とかあっても応えられるように日々勉強なのです。
「今日のトレンドはっと。あ、宮永さんお疲れ様です」
後から入ってきた23歳の新人スタッフに挨拶をしてSNSを開くと私の目に飛び込んできたのはホテル業界と私を震撼させる大ニュースだった。
『クレスト・インターナショナルグループ、老舗ホテル・ドゥ・ミエールを完全買収!新オーナーにはグループの逢坂 志遠氏が就任。持株会社、投資ファンドそしてホテルの最高経営責任者を兼務へ』
画面にはあのアッシュブロンズにプラチナブルーの瞳を持つ冷たい彼の顔写真がデカデカと掲載されてる。
えっ買収?
えっと…マジで⁈
「ちょっ、嘘でしょ⁈ねぇ、宮永さん、この記事‼見た⁈」
向かいの席で手作りのお弁当を食べながら宮永さんは私の携帯をのぞき込んだ。
「あぁ、イケメンですよね~。お近づきになりたいですよ!ってまさか何も知らなかったんですか?」
「そんな買収の噂あったの⁈」
「そっか…栗原さん、いつも飲み会キャンセルでしたもんね。結構前から噂で今後どうなるか不安ですよね」
顔を曇らせた彼女はペットボトルのキャップを捻った。
確かにバイト掛け持ちで飲み会とか全部キャンセルしてた私が悪いけどこんなことってある⁈
「イケメンだけど性格が何と言うか」
彼女の不安は冷酷無慈悲の噂に対するものだと思う!
でも私の不安は違う!
お見合いを断らない相手と同じ職場でどうやって嘘を吐くの⁈
「まあ、フロントだから直接社長と会うこともないですよね!上層部は大変でしょうけど」
そう!
彼女の言う通り。
裏の入口だってあるんだしフロントの前を通り過ぎるなんて滅多にないはず。
私は堂々と仕事してれば良いのよ!
そして早い内に破談に持ち込んで金持ち同士の政略結婚から逃げ出さなきゃ。
「栗原さん、何か企んでます?」
「企むなんて!はははっ…」
そんな人を騙そうとした私を神は許すことなく2日後、私の悲鳴が休憩室に虚しく響き渡った。
「行って来ます」
チェックアウトの混雑を終えてカウンターから離れ裏のこじんまりとした休憩室でパン1個を頬張りつつSNSをチェックする。
いつ何時お客様から質問とかあっても応えられるように日々勉強なのです。
「今日のトレンドはっと。あ、宮永さんお疲れ様です」
後から入ってきた23歳の新人スタッフに挨拶をしてSNSを開くと私の目に飛び込んできたのはホテル業界と私を震撼させる大ニュースだった。
『クレスト・インターナショナルグループ、老舗ホテル・ドゥ・ミエールを完全買収!新オーナーにはグループの逢坂 志遠氏が就任。持株会社、投資ファンドそしてホテルの最高経営責任者を兼務へ』
画面にはあのアッシュブロンズにプラチナブルーの瞳を持つ冷たい彼の顔写真がデカデカと掲載されてる。
えっ買収?
えっと…マジで⁈
「ちょっ、嘘でしょ⁈ねぇ、宮永さん、この記事‼見た⁈」
向かいの席で手作りのお弁当を食べながら宮永さんは私の携帯をのぞき込んだ。
「あぁ、イケメンですよね~。お近づきになりたいですよ!ってまさか何も知らなかったんですか?」
「そんな買収の噂あったの⁈」
「そっか…栗原さん、いつも飲み会キャンセルでしたもんね。結構前から噂で今後どうなるか不安ですよね」
顔を曇らせた彼女はペットボトルのキャップを捻った。
確かにバイト掛け持ちで飲み会とか全部キャンセルしてた私が悪いけどこんなことってある⁈
「イケメンだけど性格が何と言うか」
彼女の不安は冷酷無慈悲の噂に対するものだと思う!
でも私の不安は違う!
お見合いを断らない相手と同じ職場でどうやって嘘を吐くの⁈
「まあ、フロントだから直接社長と会うこともないですよね!上層部は大変でしょうけど」
そう!
彼女の言う通り。
裏の入口だってあるんだしフロントの前を通り過ぎるなんて滅多にないはず。
私は堂々と仕事してれば良いのよ!
そして早い内に破談に持ち込んで金持ち同士の政略結婚から逃げ出さなきゃ。
「栗原さん、何か企んでます?」
「企むなんて!はははっ…」
そんな人を騙そうとした私を神は許すことなく2日後、私の悲鳴が休憩室に虚しく響き渡った。



