悪女の代行を演じたら氷の御曹司に永久就職⁉〜お見合い破談に大失敗!私は彼に丸め込まれ溺愛されてます~

「酒、飲んでるのか?」

「ん…?志遠さんとお見合いって…緊張しちゃってワイン1本空けてきちゃいましたぁ」

これは嘘じゃない。
本当に今日はお見合い!
ただ、これには事情がありありで後で話すとして今はこの状況をどうにかしないと。
でもワイン1本ほどじゃないけど3分の2は多分飲んでしまったから頭がボーっとしてくる。

「へぇ…」

めちゃくちゃ無関心だけどまだまだこれからー!

「志遠さぁん」

彼の肩に惜しげもなく胸元を押し付けるとプラチナブルーの瞳が至近距離で私を捉える。
その瞳には拒絶と不快の色が浮かぶ…はずだったのに。

(あれ? おかしい…嫌悪感を出して席を立ってよ!)

彼は眉一つ動かさないしただ私の顔を見つめているだけ。

もっと必要なのかな…?
じゃあ、もう一段階ギア上げます‼
これでもかと淫らな女を演じなきゃ。

「ねえねえ、堅いお見合いの話なんてつまんなぁ〜い。それより私すっごく身体が熱くて」

彼の細く美しい指先を掴むと、それを自分の露出した鎖骨や太もものあたりへと大胆に導いていく。
真っ赤な口紅が塗られた唇を半開きで潤んだ瞳を見せつけるように彼を見上げた。

ここまでやればプライドが高そうで女に困ってなさそうなこの人は「お前みたい下品な女とのお見合いは時間の無駄だ!」となるはず。

さあ、断れ。
私を軽蔑して今すぐこのお見合いをぶち壊してくれ―!
そして誰かを呼んで私に塩を撒いて下さい。
期待を込めて彼の顔をのぞき込んだ。

「ずいぶんと熱心な誘惑だな」

薄い唇の両端がフッと妖艶に冷たくそして嫌味なほど上がった。

「え…?」

「そこまで俺の身体を求めているなら期待に応えないと失礼だろ?」

声は冷たいのに甘く楽しげにプラチナブルーの瞳は熱を帯び私が掴んでた手を逆に掴み返し私を捕らえた。