悪女の代行を演じたら氷の御曹司に永久就職⁉〜お見合い破談に大失敗!私は彼に丸め込まれ溺愛されてます~

「もう1人で戦わなくていいです。私はここにいますから」

「日和…?」

私は立ち上がると彼へと詰め寄り彼の綺麗な両手を自分の手でぎゅっと包み込んだ。

「今日はもうお仕事禁止です…」

私は顔を真っ赤にしながら真っ直ぐ瞳を見つめて彼の膝にゆっくりと腰を下ろした。

「社長、ううん、志遠さん。あの、バイトだとしても私の本音はあなたが好き…です」

彼は呆然としたように目を見開いた。
いつも私をからかって主導権を握っていた彼が完全に私に意表を突かれた顔をしている。

「俺を、また…誘っているのか? 」

そう思われても今夜は彼を一人で寂しい寝室に帰したくなかった。

「 誘ってますよ! ダメですか?」

私は自分の心臓が爆発しそうなのを隠すように彼をソファに押し倒した。
絶対に抗えるはずの彼はそのまま私の力に流されて革張りのソファに背中を付ける。

「ふふっ、志遠さんを見下ろせるのは私くらいですね」

驚くほど綺麗な顔を見下ろして私は緊張しながらも優越感に浸る。
いつも上の上のとてつもなく上の彼が私を下から見上げて困ったような顔。

「…本当に、ったく…我慢してたのに」

えっ?
あれ?

「ずるい!」

低い掠れた声で彼が呟くと私の視界がぐにゃりと反転して今度は彼が私を見下ろした。

「ずるい?俺を見下ろした日和が悪い…覚悟出来てるよね」

「そんな、冗だ…んむ……っ」

私の視界を埋め尽くしたのはアッシュブロンズの髪と熱を含んだプラチナブルーの瞳。
そして彼の唇が私の耳元へと寄せられ息が触れるたびに身体がビクンと震える。

「立場が逆転、どう逃げる?」

逃げれないの分かって言ってる!
逃がすつもりは絶対ないって顔をしてるし。
彼の両腕が私を囲んで小さい私なんて身動き出来るわけない。