「もうこんな時間なのに」
私はトレイに載せたカモミールティーを抱えたままリビングの奥にある書斎のドアをそっと開けた。
「社長。あの、もう深夜の1時を回っていますよ」
デスクの向こうにいる彼はパソコンから目をこちらに向けて目頭を押さえた。
帰宅したのが22時すぎ、それからずっと書斎にこもったまま。
「本当に困った人」
同居して気付いたけど彼には休日と言う概念がなく早く帰宅してもこうやって書斎に入り仕事をしてる。
最初にノックしたら「勝手に入って」と言われてそれ以来ノックをすることがない。
何だろ、案外と言うかとても?優しい人かも。
自分が心を許してる人には相当甘い人で西脇さんなんて秘書と言うか本物のお兄さんみたいで2人の会話は聞いてて面白い。
(これも意外かな)
外では完璧なのに自宅だと綺麗な髪はセットもされずボサボサで部屋着はスウェットを好んで着る。
髪は元がストレートだからセットが崩れてるくらいだしスウェットもブランド品だから一般庶民では手が出せる物ではないけど…それでも、
「社長って人間ですね」
「ん?当たり前だろ。日和は早く寝た方が良い。ずっと立ち仕事なんだから」
ほらね、最初は冷たい人だと思ってビクビクしてたけど自分より人の心配ばかりする人であんな意地悪されてたのが嘘みたい。
私は明日休みなんだけど甘くて優しい言葉を聞けるから休みのことは秘密にしたくなる。
でもこの気持ちは内緒!
いくら彼を身近に感じてもいずれは逢坂家を背負う人で今は婚約者の代行バイト中の身。
今くらいは独り占めしても良いよね?
「一緒にお茶をしようかと思ったけど、捨てますね」
これはわざとです。
こう言うと…
「飲む!ちょっと待って、あと少しで終わるから」
可愛くないですか?
普段の彼は簡単な人。
でも、さすがに今日の私は心を鬼にする。
あと少しなんて言って昨日も一昨日も結局明け方まで起きてたみたいだし。
返事はしてもキーボードを叩く指を止めない。
横顔はいつもより明らかに青白くて唇の血色も悪いし目の下には微かに隈が浮かんでいる。
私はトレイに載せたカモミールティーを抱えたままリビングの奥にある書斎のドアをそっと開けた。
「社長。あの、もう深夜の1時を回っていますよ」
デスクの向こうにいる彼はパソコンから目をこちらに向けて目頭を押さえた。
帰宅したのが22時すぎ、それからずっと書斎にこもったまま。
「本当に困った人」
同居して気付いたけど彼には休日と言う概念がなく早く帰宅してもこうやって書斎に入り仕事をしてる。
最初にノックしたら「勝手に入って」と言われてそれ以来ノックをすることがない。
何だろ、案外と言うかとても?優しい人かも。
自分が心を許してる人には相当甘い人で西脇さんなんて秘書と言うか本物のお兄さんみたいで2人の会話は聞いてて面白い。
(これも意外かな)
外では完璧なのに自宅だと綺麗な髪はセットもされずボサボサで部屋着はスウェットを好んで着る。
髪は元がストレートだからセットが崩れてるくらいだしスウェットもブランド品だから一般庶民では手が出せる物ではないけど…それでも、
「社長って人間ですね」
「ん?当たり前だろ。日和は早く寝た方が良い。ずっと立ち仕事なんだから」
ほらね、最初は冷たい人だと思ってビクビクしてたけど自分より人の心配ばかりする人であんな意地悪されてたのが嘘みたい。
私は明日休みなんだけど甘くて優しい言葉を聞けるから休みのことは秘密にしたくなる。
でもこの気持ちは内緒!
いくら彼を身近に感じてもいずれは逢坂家を背負う人で今は婚約者の代行バイト中の身。
今くらいは独り占めしても良いよね?
「一緒にお茶をしようかと思ったけど、捨てますね」
これはわざとです。
こう言うと…
「飲む!ちょっと待って、あと少しで終わるから」
可愛くないですか?
普段の彼は簡単な人。
でも、さすがに今日の私は心を鬼にする。
あと少しなんて言って昨日も一昨日も結局明け方まで起きてたみたいだし。
返事はしてもキーボードを叩く指を止めない。
横顔はいつもより明らかに青白くて唇の血色も悪いし目の下には微かに隈が浮かんでいる。



