今から婚約破棄直後の悪役令嬢が通ります。ご注意ください。

 エドガルドは王太子の婚約者であろうと必死に努力しているベロニカを、つまらない女だとあざ笑うような酷い発言も多かった。

 国王を支える王妃が楽しみばかりを追うわけにもいかないという簡単な道理すら理解出来ない。

「お前が王位を継ぐ気になってくれたのなら、儂はもう何も言わぬ……クラウスが立太子した時に、彼女は驚くだろうな」

「ええ。父上。そうなれば、すべて元通りですからね。王太子に婚約破棄を宣言されたところで……ベロニカは王太子の婚約者のままです。彼女は何も失っていません」

 出来の悪い長男を諦めざるをえず難しい表情を浮かべた父へ、クラウスは肩を竦めると微笑んだ。

Fin