大型犬男子は、今日も私を甘やかす【完】

砂浜に足跡を残す。
ただ、それだけのことなのに。
映画のワンシーンみたいに感じるのは、きっと陸斗と一緒にいるから。

ふと見ると、陸斗が砂浜にしゃがみ込んでいた。何かを書いている。真剣な表情が、なんだかおかしくて笑いが漏れる。

「何してるの?」

声をかけると、陸斗が少し照れたように顔を上げた。
砂浜に書かれていたのは──私の名前。

「……なんで?」

思わず笑ってしまう。
陸斗が、こんなことをするなんて思わなかったから。でも。書いてくれたのが嬉しくて、胸がいっぱいになる。消えてしまう前に、スマホを取り出して写真に残した。