大型犬男子は、今日も私を甘やかす【完】

「少しでも人が少ない方に行こう」

陸斗が私の手を取り、周りに気を配りながらゆっくりと歩き出した。
私は浮き輪につかまったまま、その後をついていく。

沖へ進むにつれて、だんだん足が届かなくなってしまった。その代わり、周りにいる人はずいぶん少なくなっている。

浮き輪につかまる身体が、波に合わせてゆらゆらと揺れた。最初は足が届かないことに少し不安を感じたけれど、すぐ隣には陸斗がいる。

「大丈夫?」

優しく声を掛けられ、私は小さく頷いた。

「うん」

その一言だけで、不思議と安心できる。