大型犬男子は、今日も私を甘やかす【完】

「彼女と来てる」

迷いのない、その一言。
張りつめていた心が、ふっとほどけた。

「そうなんですね。失礼しました」

女性はそう言うと、あっさりと立ち去っていった。
そのタイミングで陸斗が私に気づく。

「彩葉!」

満面の笑みで、大きく手を振ってくれる。
その笑顔を見た瞬間、胸につかえていたものがすっと消えていった。

「……不安になって、バカみたい」

信じている。
陸斗は私だけを見てくれている。
ちゃんと分かっているのに、それでも不安になってしまう。