大型犬男子は、今日も私を甘やかす【完】

「リード準備して」
「バカ」

そんなやりとりをしながら、朝の支度を済ませて外へ出た。
旅館の外に出ると、爽やかな風が髪をなびかせる。澄んだ空気が、まだ少し眠い体に気持ちよかった。

「気持ちいいね」

二人で並んでゆっくり歩いていると、自然と手が触れ、そっと重なった。
陸斗はまだ少し眠たそうなのに、付き合ってくれているのが嬉しい。

旅館の庭園は繊細で美しく、浴衣姿で歩くだけで絵になるようだった。

「あっち、海に繋がってる」

陸斗が指差した先に目を向けると、階段が見える。その先には、一面の砂浜と海が広がっていた。