──in昼休み
私は皇くんと約束していた学園案内の為にお昼ご飯を早めに食べて、残りの時間を学園案内に使った。
「行けそう?」
「うんっ!」
「じゃあ行こっか。」
その背中に私は着いて言った。
「…が化学室。授業以外にはあんまり使わないんだ。」
「へぇ〜」
私は学園の案内で、少し暗めな三階に来ていた。
こんな場所もあったんだ…。
見渡していると、暗い廊下の奥になんだか人影が見えた気がして、思わず皇くんに聞いてみる。
「ねぇ。あそこの場所は何かあるの?」
そう聞くと、皇くんは少しビクッとした。
普通なら気が付かないくらい少しだけど、私は見た。
…何か、あるってことね。
「…空き教室とかで、少し荒れた人たちが集まったりしてるんだ。
だからあんまり近づかない方がいいよ。」
そうニコッと笑う皇くん。
…なにか、あるんだ。
「うん。分かった。」
私は口ではそういいつつ、横目であの場所を警戒した。
「…で、最後にここが中庭だよ。
まぁまぁ広いでしょ?」
「わぁ〜っ…!」
皇くんが連れていってくれたのは、まるで物語の庭園のような広い中庭。
ベンチや洋風の柱や時計。
草木に花壇っ…!
本当に素敵な場所っ…!
「気に入った?」
「うんっ!」
ハッ!
…思わず食い気味で即答してしまったっ…。
恥ずかしい…。
そんなことを考えて上を見ると、凄く嬉しそうな顔をした皇くんの姿があった。
呆気にとられ、思わずじっ…と見つめてしまうと、ハッとしたようにいつものニコニコとした笑顔に戻った。
…今の、凄く嬉しそうだったな…。
「この場所、好きなの?」
思わず聞いてしまう。
すると皇くんは驚いた様子で、でも…
「…うん。落ち着いて、心地いいからね。」
その笑みは、貼り付けた笑みじゃなくて。
心からの笑顔だと分かると、私まで嬉しくなってしまって。
…この時にはもう、警戒心はなくなってしまったのかもしれない。
「だねっ!」
「…うん。」
私たちは2人で、広い中庭を堪能した。
「…っと。こんな感じかな。
これで学園案内は終わりだけど…
気になることはあった?」
「ううんっ分かりやすくて、すぐ覚えられちゃった!」
「そう?ならよかった。」
…あ、そうだ。皇くんにいっておかなきゃ。
これだけは、絶対言わなくちゃ。と決めていたのだ。
「皇くんっ
今日はわざわざありがとうっ
すっごく楽しかったっ…!」
そう言うと、皇くんは固まった。
…えっと…大丈夫…かな?
「皇くん…?」
そう聞くと、少し間を置いてこう返された。
「"皇" くん…?」
「えっ?うん?」
どうしたんだろ…?
もしかして、私に名前を呼ばれたのが嫌だったとか…っ?
「…でいい。」
「え?」
聞こえなかったっ…なんて言ったんだろう?
「…輝弥。そう呼んで?」
「え?でも…」
「よんで?」
そう圧力をかけられる。
ど、どうしたんだろう急に…
うーん…と…じゃあ…
「輝弥…くん?」
上にある輝弥くんの顔を見上げて言うと、「っ…」という声が聞こえる。
「?」
「…じゃあ、今はそれで。」
顔を避けられてしまったっ…
「…なんで俺、今ドキッって…」
?輝弥くん?
声が小さくて聞こえなかった…
「…じゃあさ、俺は乃空って呼んでいい?」
「えっ?」
…そういえば、今まで1度も名前呼ばれたこと無かったな…。
「もちろんっ…!」
「よかった。」
そう微笑む輝弥くん。
…なんかよく分かんないけど、心を開いてくれた…のかな?
…だとしたら、任務達成に近付いた…ってことかな。
すべてが任務のため、って訳じゃないけど。
もちろん、輝弥くんと仲良くしたいと思ったのは事実。
…最初はちょっと怖かったけど。
…あれ?
なんか、気配がした気がしたけど…
気のせいかな…?
そんなことを1人考えながら、二人で教室へ戻ろうとした。
──その時だった。
「…先輩?」
「えっ?」
草木の影から出てきたのは、
──滝くんだった。
私は皇くんと約束していた学園案内の為にお昼ご飯を早めに食べて、残りの時間を学園案内に使った。
「行けそう?」
「うんっ!」
「じゃあ行こっか。」
その背中に私は着いて言った。
「…が化学室。授業以外にはあんまり使わないんだ。」
「へぇ〜」
私は学園の案内で、少し暗めな三階に来ていた。
こんな場所もあったんだ…。
見渡していると、暗い廊下の奥になんだか人影が見えた気がして、思わず皇くんに聞いてみる。
「ねぇ。あそこの場所は何かあるの?」
そう聞くと、皇くんは少しビクッとした。
普通なら気が付かないくらい少しだけど、私は見た。
…何か、あるってことね。
「…空き教室とかで、少し荒れた人たちが集まったりしてるんだ。
だからあんまり近づかない方がいいよ。」
そうニコッと笑う皇くん。
…なにか、あるんだ。
「うん。分かった。」
私は口ではそういいつつ、横目であの場所を警戒した。
「…で、最後にここが中庭だよ。
まぁまぁ広いでしょ?」
「わぁ〜っ…!」
皇くんが連れていってくれたのは、まるで物語の庭園のような広い中庭。
ベンチや洋風の柱や時計。
草木に花壇っ…!
本当に素敵な場所っ…!
「気に入った?」
「うんっ!」
ハッ!
…思わず食い気味で即答してしまったっ…。
恥ずかしい…。
そんなことを考えて上を見ると、凄く嬉しそうな顔をした皇くんの姿があった。
呆気にとられ、思わずじっ…と見つめてしまうと、ハッとしたようにいつものニコニコとした笑顔に戻った。
…今の、凄く嬉しそうだったな…。
「この場所、好きなの?」
思わず聞いてしまう。
すると皇くんは驚いた様子で、でも…
「…うん。落ち着いて、心地いいからね。」
その笑みは、貼り付けた笑みじゃなくて。
心からの笑顔だと分かると、私まで嬉しくなってしまって。
…この時にはもう、警戒心はなくなってしまったのかもしれない。
「だねっ!」
「…うん。」
私たちは2人で、広い中庭を堪能した。
「…っと。こんな感じかな。
これで学園案内は終わりだけど…
気になることはあった?」
「ううんっ分かりやすくて、すぐ覚えられちゃった!」
「そう?ならよかった。」
…あ、そうだ。皇くんにいっておかなきゃ。
これだけは、絶対言わなくちゃ。と決めていたのだ。
「皇くんっ
今日はわざわざありがとうっ
すっごく楽しかったっ…!」
そう言うと、皇くんは固まった。
…えっと…大丈夫…かな?
「皇くん…?」
そう聞くと、少し間を置いてこう返された。
「"皇" くん…?」
「えっ?うん?」
どうしたんだろ…?
もしかして、私に名前を呼ばれたのが嫌だったとか…っ?
「…でいい。」
「え?」
聞こえなかったっ…なんて言ったんだろう?
「…輝弥。そう呼んで?」
「え?でも…」
「よんで?」
そう圧力をかけられる。
ど、どうしたんだろう急に…
うーん…と…じゃあ…
「輝弥…くん?」
上にある輝弥くんの顔を見上げて言うと、「っ…」という声が聞こえる。
「?」
「…じゃあ、今はそれで。」
顔を避けられてしまったっ…
「…なんで俺、今ドキッって…」
?輝弥くん?
声が小さくて聞こえなかった…
「…じゃあさ、俺は乃空って呼んでいい?」
「えっ?」
…そういえば、今まで1度も名前呼ばれたこと無かったな…。
「もちろんっ…!」
「よかった。」
そう微笑む輝弥くん。
…なんかよく分かんないけど、心を開いてくれた…のかな?
…だとしたら、任務達成に近付いた…ってことかな。
すべてが任務のため、って訳じゃないけど。
もちろん、輝弥くんと仲良くしたいと思ったのは事実。
…最初はちょっと怖かったけど。
…あれ?
なんか、気配がした気がしたけど…
気のせいかな…?
そんなことを1人考えながら、二人で教室へ戻ろうとした。
──その時だった。
「…先輩?」
「えっ?」
草木の影から出てきたのは、
──滝くんだった。


