伝説の『姫』。現在、地味子Aとして潜入中!

「月島くーん?」

「どこ行っちゃったんだろ…」

─俺は今、気配を押し殺していた。

理由は何故かクラスの女子だけじゃなく他クラスの女子まで俺に押し寄せてきたからだった。

お陰で先輩に電話かメールでもしようと思ってた計画が台無しになった。

…っくそ…しかもなんかよく知らない場所にまで来ちまったし…

草むらを少し抜けると、まるで童話の庭園のような場所が広がっていた。

…うわ、めちゃくちゃ金使ってそ…。

でも、先輩も好きそうな作り…。

ていうか、絶対喜んでくれそう。

「フフッ」

女子たちに見つからないように屈んだ状態のまま笑いを漏らす。

…ほんと、俺どこにいても先輩ばっかじゃん…。

少し小恥ずかしくなり、少し顔が赤くなっているのが自分でも分かる。

…早くどっかいって熱冷まそ…

──移動しようとした、その瞬間だった。

「わぁ〜!」

…!

この声…っ!

バッと顔を向けると、さっきまで考えていた先輩が現れていた。

はっ…なんで先輩がっ…?

学園案内で来た…のか?

草むらから少し顔を出すと、先輩の隣に俺くらいの身長の男が居た。

少し金髪気味の髪を靡かせる、1人の男。

…アイツが先輩の言ってた『スメラギ』か…?

先輩は気配に気が付くのが上手いので、全身全霊で気配を押し殺しつつ、先輩達の行く末を見守る。

「──…─」

…あーっくそっ…!

何言ってんのかなんも聞こえねぇ…!

更に耳を澄まして先輩達を見れば、男が耳を赤らめて横を見ていて、先輩は上目遣いで男を見ていた。

何を言っているのかは分からない。

でも、何となく分かる。

…先輩、あの容姿が無くても人を絆すんだな…。

俺が好きになったのは、最初は容姿なのを思い出すと、少し胸が痛んだ。

いや、始まりは容姿でも今は先輩の全部が好きだから…。

そんな言い訳をしつつも先輩の方を見ると、先輩が凄く嬉しそうな笑顔を浮かべているのを見て、思わずヒュッ…と喉がなる。

先輩がそいつに、知らない男に奪われてしまうような気がして。

──その時だった。

「…先輩…?」

気配が顕になったと同時に、草むらから出る時に大きな音が鳴る

…っやばっ…!

「滝くん…?」

…っ終わった…