「ユ……」
ユアン王子の唇に私の声が奪われた。
触れるだけの口づけに呆然としていると、ユアン王子は妖艶に微笑み、再び唇を合わせてくる。
「んっ……!」
今度は触れるだけではなく深く甘く。ユアン王子の想いが伝わってくるほどの愛情深いキス。
一瞬離れた瞬間に呼吸をするがそれはまた塞がれて奪われる。情熱的なキスに追いつくので精一杯だ。
ギュッと抱きしめられているから逃げ場がない。私は自然とユアン王子に縋り付いた。
甘さと苦しさとで腰に力が入らなくなり、膝がカクンと折れて力が抜ける。それを王子は腰をしっかり支えて倒れないようにしてくれた。
「ごめん、つい」
赤い顔で呼吸を整える私は何も言葉が出てこない。この甘い空気に身体が震える。
「エルマが可愛くて止められなかった」
「王子……」
私を愛おしそうに抱きしめるユアン王子に、戸惑いと喜びと愛おしさで感情が迷子になる。
これは夢なのだろうか? ユアン王子とこんな日がくるだなんて……。
情熱的な告白とキスに全てが追いつかない。
どんどんと私の知るユアン王子からかけ離れていく。こんなに甘く愛してくれる人だなんて、初めの頃は思いもしなかった。
冷たい人だと思ってたのに、こんなに温かくて温もりある人だったなんて。
国民に恐れられている冷徹の王子はどこへ行ったの? これがユアン王子の本性?
「本当のユアン王子は一体どれですか?」
「え?」
「だって……、あなたは冷徹の王子で恐れられている存在で……。なのにこんなに甘くて柔らかくて……、私はどの王子を信じれば良いのかわかりません」
混乱しつつ伝えると、ユアン王子は気まずそうに頭をかいた。
「冷徹の王子は周りが勝手に呼んでいるだけだが……、確かに今までの俺はそう言われてもおかしくなかった。でも、エルマに出会ったことで変われた。そう言ったら信じてくれるか?」
私を覗き込む瞳は訴えかけている。
「お前を妃に迎えることで俺の抑止力になる。この国はより豊かになる。国民に寄り添える。エルマと二人なら理想の国にしていける」
「理想の国……」
「俺にはお前が必要だ」
必要?
「私が……?」
母が亡くなってから、そんなこと言われたことなんてなかった。
私はただの使用人。使い捨てのコマ。代わりなんていくらでもいて、私は常に誰かの身代わりだった。そう言われていた。
エルマという私を見てくれる人なんて、もういないと思っていた。
「ユアン王子……、私はただの使用人です」
「あぁ。でも今は俺の愛する人だ」
その一言が私の心を包みこんだ。
大粒の涙が滝のように流れ出てユアン王子が慌てる。でも止められそうにない。
「こんなに幸せで良いのでしょうか」
「いいんだ。幸せになろう、二人で」
二人で。
ユアン王子に手を伸ばすと力強く握り返してくれる。
躊躇いもなくそのままその腕の中に飛び込んだ。
ユアン王子の唇に私の声が奪われた。
触れるだけの口づけに呆然としていると、ユアン王子は妖艶に微笑み、再び唇を合わせてくる。
「んっ……!」
今度は触れるだけではなく深く甘く。ユアン王子の想いが伝わってくるほどの愛情深いキス。
一瞬離れた瞬間に呼吸をするがそれはまた塞がれて奪われる。情熱的なキスに追いつくので精一杯だ。
ギュッと抱きしめられているから逃げ場がない。私は自然とユアン王子に縋り付いた。
甘さと苦しさとで腰に力が入らなくなり、膝がカクンと折れて力が抜ける。それを王子は腰をしっかり支えて倒れないようにしてくれた。
「ごめん、つい」
赤い顔で呼吸を整える私は何も言葉が出てこない。この甘い空気に身体が震える。
「エルマが可愛くて止められなかった」
「王子……」
私を愛おしそうに抱きしめるユアン王子に、戸惑いと喜びと愛おしさで感情が迷子になる。
これは夢なのだろうか? ユアン王子とこんな日がくるだなんて……。
情熱的な告白とキスに全てが追いつかない。
どんどんと私の知るユアン王子からかけ離れていく。こんなに甘く愛してくれる人だなんて、初めの頃は思いもしなかった。
冷たい人だと思ってたのに、こんなに温かくて温もりある人だったなんて。
国民に恐れられている冷徹の王子はどこへ行ったの? これがユアン王子の本性?
「本当のユアン王子は一体どれですか?」
「え?」
「だって……、あなたは冷徹の王子で恐れられている存在で……。なのにこんなに甘くて柔らかくて……、私はどの王子を信じれば良いのかわかりません」
混乱しつつ伝えると、ユアン王子は気まずそうに頭をかいた。
「冷徹の王子は周りが勝手に呼んでいるだけだが……、確かに今までの俺はそう言われてもおかしくなかった。でも、エルマに出会ったことで変われた。そう言ったら信じてくれるか?」
私を覗き込む瞳は訴えかけている。
「お前を妃に迎えることで俺の抑止力になる。この国はより豊かになる。国民に寄り添える。エルマと二人なら理想の国にしていける」
「理想の国……」
「俺にはお前が必要だ」
必要?
「私が……?」
母が亡くなってから、そんなこと言われたことなんてなかった。
私はただの使用人。使い捨てのコマ。代わりなんていくらでもいて、私は常に誰かの身代わりだった。そう言われていた。
エルマという私を見てくれる人なんて、もういないと思っていた。
「ユアン王子……、私はただの使用人です」
「あぁ。でも今は俺の愛する人だ」
その一言が私の心を包みこんだ。
大粒の涙が滝のように流れ出てユアン王子が慌てる。でも止められそうにない。
「こんなに幸せで良いのでしょうか」
「いいんだ。幸せになろう、二人で」
二人で。
ユアン王子に手を伸ばすと力強く握り返してくれる。
躊躇いもなくそのままその腕の中に飛び込んだ。



