それから、ユアン王子が忙しいとき以外は二人でランチを取ることが増えて行った。
まぁ、正直なところ、相変わらず会話はほぼない。けれど、日に日にお互いの空気感が和らいでいくような気がする……。
いや、気のせいかもしれないけれど、そう前向きに考えていたい。
そんなことを言うと、またリリーさんが信じられないものでも見るかのような目で固まるので、そちらの反応も楽しんでいたりする。
彼女の反応は面白いので、ランチが終わると出来事を話すことが日課になりつつあった。
「今日はランチの時にユアン王子と天気の話をしました。ユアン王子は晴れ男だそうで、公務で出かけるときはたいてい晴れるのだそうですよ」
そうリリーに伝える。すると、目を丸くした。
「王子様と天気の話を……!? 王子様が質問に答えてくださったのですか?」
「はい」
「王子様が……、どうでもいい何気ない会話をなさるなんて……」
またもや驚きで絶句するリリーさん。
あぁ、本当にこの人は面白いわ。良い友達になれそう。
こっそりフフっと笑う。私はこうしたリリーさんの反応が楽しかった。いつも丁寧で敬う姿勢を見せているのに、この時だけはユアン王子に失礼な態度になっていることに気が付いていない。
まぁ、別に誰に言うわけでもないからいいけれど。
それに、なんだかお屋敷で使用人をしていた時に、みんなで噂話をしていた時のようで楽しかった。
私も旦那様やお嬢様の意外な話にいつも花を咲かせていたなぁ。ばれたら叱責されるから、使用人の間だけでとどまる噂話だったけど、それが一つの息抜きでもあったわ。
だからこそ、リリーさんの気持ちがよくわかる。きっと休憩時間などで、他の使用人らと王子の噂話をしているのだろう。
悪い話はしていないから別にいいわよね。
冷徹の王子といわれるユアン王子の意外な一面を、私だけでなくいろんな人に知ってもらいたいと思っていた。
もちろん、まだランチタイムは緊張するし、ユアン王子にあの視線を向けられると怖さを感じる。冷たい口調や態度には胸がずきずきと痛くなり、嫌だな早く終わらないかなと思う時もある。
でも、そうした中でのほんの一瞬にみせるユアン王子の表情や口調の違いや、目が柔らかくなる瞬間などが見逃せない。
私自身が、そのほんの少しの違いを見つけることで、ユアン王子の印象を少しでも良くしようと思っているのかもしれなかった。
「ユアン様は悪い方ではないのですよ」
いつもの様にランチをするため、テラスに向かう時。迎えに来たコーラン様が目を垂らして苦笑した。
「そう……思いたいですし、思うようにしています」
「なら、よかった。ユアン様は使用人たちには態度は悪いですけどね。でもそれには、何か理由があるのかもしれませんし」
「理由……ですか」
理由って何? あの態度には理由があるの? あったとしても、していいことではないと思うけど……。
ふむと考えるが、コーラン様は何も言わない。
コーラン様はユアン王子の側近だ。他の人が知らない顔も見ているのだろう。
「ユアン王子は、本来どんなお方なのですか?」
「それは……。私の口から申し上げるのは止めておきます。ジュアナ様が少しずつ知っていけばよろしいかと」
曖昧にはぐらかされてしまった。
そんなこと言ったって……。知りたいけれど、ほぼ会話のない30分程度のランチタイムで知っていくには限度があるわ。こんなんで結婚してもやっていけるのかしら。
内心ため息をついた。
まぁ、正直なところ、相変わらず会話はほぼない。けれど、日に日にお互いの空気感が和らいでいくような気がする……。
いや、気のせいかもしれないけれど、そう前向きに考えていたい。
そんなことを言うと、またリリーさんが信じられないものでも見るかのような目で固まるので、そちらの反応も楽しんでいたりする。
彼女の反応は面白いので、ランチが終わると出来事を話すことが日課になりつつあった。
「今日はランチの時にユアン王子と天気の話をしました。ユアン王子は晴れ男だそうで、公務で出かけるときはたいてい晴れるのだそうですよ」
そうリリーに伝える。すると、目を丸くした。
「王子様と天気の話を……!? 王子様が質問に答えてくださったのですか?」
「はい」
「王子様が……、どうでもいい何気ない会話をなさるなんて……」
またもや驚きで絶句するリリーさん。
あぁ、本当にこの人は面白いわ。良い友達になれそう。
こっそりフフっと笑う。私はこうしたリリーさんの反応が楽しかった。いつも丁寧で敬う姿勢を見せているのに、この時だけはユアン王子に失礼な態度になっていることに気が付いていない。
まぁ、別に誰に言うわけでもないからいいけれど。
それに、なんだかお屋敷で使用人をしていた時に、みんなで噂話をしていた時のようで楽しかった。
私も旦那様やお嬢様の意外な話にいつも花を咲かせていたなぁ。ばれたら叱責されるから、使用人の間だけでとどまる噂話だったけど、それが一つの息抜きでもあったわ。
だからこそ、リリーさんの気持ちがよくわかる。きっと休憩時間などで、他の使用人らと王子の噂話をしているのだろう。
悪い話はしていないから別にいいわよね。
冷徹の王子といわれるユアン王子の意外な一面を、私だけでなくいろんな人に知ってもらいたいと思っていた。
もちろん、まだランチタイムは緊張するし、ユアン王子にあの視線を向けられると怖さを感じる。冷たい口調や態度には胸がずきずきと痛くなり、嫌だな早く終わらないかなと思う時もある。
でも、そうした中でのほんの一瞬にみせるユアン王子の表情や口調の違いや、目が柔らかくなる瞬間などが見逃せない。
私自身が、そのほんの少しの違いを見つけることで、ユアン王子の印象を少しでも良くしようと思っているのかもしれなかった。
「ユアン様は悪い方ではないのですよ」
いつもの様にランチをするため、テラスに向かう時。迎えに来たコーラン様が目を垂らして苦笑した。
「そう……思いたいですし、思うようにしています」
「なら、よかった。ユアン様は使用人たちには態度は悪いですけどね。でもそれには、何か理由があるのかもしれませんし」
「理由……ですか」
理由って何? あの態度には理由があるの? あったとしても、していいことではないと思うけど……。
ふむと考えるが、コーラン様は何も言わない。
コーラン様はユアン王子の側近だ。他の人が知らない顔も見ているのだろう。
「ユアン王子は、本来どんなお方なのですか?」
「それは……。私の口から申し上げるのは止めておきます。ジュアナ様が少しずつ知っていけばよろしいかと」
曖昧にはぐらかされてしまった。
そんなこと言ったって……。知りたいけれど、ほぼ会話のない30分程度のランチタイムで知っていくには限度があるわ。こんなんで結婚してもやっていけるのかしら。
内心ため息をついた。



