見上げた先にはあの冷たい瞳が私を見下ろしていた。
「あ……、ユ、ユアン王子……」
慌てて礼をとろうとすると、手で軽く制され座るよう促される。
「失礼致します……」
おずおずと座ると、ユアン王子も向かいの椅子にドカッと腰かけた。
使用人らが飲み物を注いでくれ、終わるとサッとその場からいなくなる。コーラン様もいつの間にかおらず、テラスにはユアン王子と二人きりだ。
これはこれで緊張する……。
どうしたものかと俯いていると、ユアン王子が話しかけてきた。
「食べないのか?」
「い、いただきます」
正直、食欲などない。マナーなどは気にしなくてよいが、ユアン王子と二人きりという環境では食欲などわかなくなる。
そっと顔を上げてチラッとユアン王子を見ると、王子は手でサンドウィッチを取るとバクバクと食べ始めた。豪快で大胆。でも、美味しそうに食べる姿に、私も自然と手を伸ばしてサンドウィッチをとる。
「美味しい!」
一口食べて、思わずそう声が出た。これは凄く美味しい。
つい目をキラキラさせてしまうと、ユアン王子はチラッと私を見る。
「美味いか?」
「はい、とても! パンの間のソースでしょうか? それが野菜とハムの美味しさを引き立てています。こんなに美味しいものは初めて食べました!」
私が絶賛すると、ユアン王子は「そうか」とだけ呟く。
パンももちもちして、野菜も新鮮。ソースが絶品だし、こんなおいしいサンドウィッチは初めて食べたわ! きっとジュアナお嬢様も食べたことがないんじゃないかしら。
さすがは王宮だと感心がやまない。
緊張で食欲などなかったが、いつの間にか自然と食事に手が伸びていた。
んー、美味しい!
自然と頬が緩む。
「お前は美味そうに食べるな」
不意にそう話しかけられ、ハッとした。
しまった! 私……。どれも美味しくて何も気にせず食べてしまった。ほぼ素だった。もう少しおしとやかにお嬢様らしく食べるべきだったのに。
口元をそっと隠して目線を下げる。
「も、申し訳ありません」
お嬢様らしくないと思われたかもしれない。下品だったかな? もしかしてお嬢様じゃないってバレたかも?
サッと顔色が変わって謝罪する私に、ユアン王子は首を傾げた。
「どうして謝る? 美味そうに食べるのはいいことだ。この料理を作った者も喜ぶ」
そう話し、ユアン王子もフォークでお肉を突き刺すと無造作に口に運んだ。マナーもないがとても美味しそうに頬張っている。
「まぁ……。ふふ」
思わず笑みを浮かべると、ユアン王子の目元が少しだけ和らいだ気がした。口角も少しだけ上がっている。
これは笑っている……?
思いがけない笑顔に思わずジッとユアン王子を見つめると、どこか気まずそうに目をそらされた。
「もっと食べろ。お前は少し細すぎる」
「ありがとうございます」
王子は私のお皿に次々と食べ物を乗せていく。あっという間に山盛りになった。
「ユ、ユアン王子。さすがにこれは多すぎます」
「これくらい食べられなくてどうする? お前が美味いと言ったんだから遠慮せずにどんどん食べろ」
遠慮はしていないのだが……。と、お皿にこんもり盛られた食べ物たちを見る。
そしてふともしかしてと思った。
口数は少なくてぶっきらぼう。冷たい目をして雰囲気は怖いけど、話しかけてくれるし……。意外と私に気を遣ってくれているのかしら?
ユアン王子から話しかけられるなんて思いもしなかったから、こうして会話が出来ることが不思議だ。
しかも食事を褒めたら嬉しそうだし、遠慮するなとまで言う。
政略結婚(というか、旦那様のごり押し)で決まったことだから、もっとジュアナお嬢様に対して無関心かと思っていたが実はそこまでではないのだろうか?
ユアン王子という方が分からないわ。
しかしこの後も会話は少なかったけれど、節々にユアン王子の気遣いを感じた。
「あ……、ユ、ユアン王子……」
慌てて礼をとろうとすると、手で軽く制され座るよう促される。
「失礼致します……」
おずおずと座ると、ユアン王子も向かいの椅子にドカッと腰かけた。
使用人らが飲み物を注いでくれ、終わるとサッとその場からいなくなる。コーラン様もいつの間にかおらず、テラスにはユアン王子と二人きりだ。
これはこれで緊張する……。
どうしたものかと俯いていると、ユアン王子が話しかけてきた。
「食べないのか?」
「い、いただきます」
正直、食欲などない。マナーなどは気にしなくてよいが、ユアン王子と二人きりという環境では食欲などわかなくなる。
そっと顔を上げてチラッとユアン王子を見ると、王子は手でサンドウィッチを取るとバクバクと食べ始めた。豪快で大胆。でも、美味しそうに食べる姿に、私も自然と手を伸ばしてサンドウィッチをとる。
「美味しい!」
一口食べて、思わずそう声が出た。これは凄く美味しい。
つい目をキラキラさせてしまうと、ユアン王子はチラッと私を見る。
「美味いか?」
「はい、とても! パンの間のソースでしょうか? それが野菜とハムの美味しさを引き立てています。こんなに美味しいものは初めて食べました!」
私が絶賛すると、ユアン王子は「そうか」とだけ呟く。
パンももちもちして、野菜も新鮮。ソースが絶品だし、こんなおいしいサンドウィッチは初めて食べたわ! きっとジュアナお嬢様も食べたことがないんじゃないかしら。
さすがは王宮だと感心がやまない。
緊張で食欲などなかったが、いつの間にか自然と食事に手が伸びていた。
んー、美味しい!
自然と頬が緩む。
「お前は美味そうに食べるな」
不意にそう話しかけられ、ハッとした。
しまった! 私……。どれも美味しくて何も気にせず食べてしまった。ほぼ素だった。もう少しおしとやかにお嬢様らしく食べるべきだったのに。
口元をそっと隠して目線を下げる。
「も、申し訳ありません」
お嬢様らしくないと思われたかもしれない。下品だったかな? もしかしてお嬢様じゃないってバレたかも?
サッと顔色が変わって謝罪する私に、ユアン王子は首を傾げた。
「どうして謝る? 美味そうに食べるのはいいことだ。この料理を作った者も喜ぶ」
そう話し、ユアン王子もフォークでお肉を突き刺すと無造作に口に運んだ。マナーもないがとても美味しそうに頬張っている。
「まぁ……。ふふ」
思わず笑みを浮かべると、ユアン王子の目元が少しだけ和らいだ気がした。口角も少しだけ上がっている。
これは笑っている……?
思いがけない笑顔に思わずジッとユアン王子を見つめると、どこか気まずそうに目をそらされた。
「もっと食べろ。お前は少し細すぎる」
「ありがとうございます」
王子は私のお皿に次々と食べ物を乗せていく。あっという間に山盛りになった。
「ユ、ユアン王子。さすがにこれは多すぎます」
「これくらい食べられなくてどうする? お前が美味いと言ったんだから遠慮せずにどんどん食べろ」
遠慮はしていないのだが……。と、お皿にこんもり盛られた食べ物たちを見る。
そしてふともしかしてと思った。
口数は少なくてぶっきらぼう。冷たい目をして雰囲気は怖いけど、話しかけてくれるし……。意外と私に気を遣ってくれているのかしら?
ユアン王子から話しかけられるなんて思いもしなかったから、こうして会話が出来ることが不思議だ。
しかも食事を褒めたら嬉しそうだし、遠慮するなとまで言う。
政略結婚(というか、旦那様のごり押し)で決まったことだから、もっとジュアナお嬢様に対して無関心かと思っていたが実はそこまでではないのだろうか?
ユアン王子という方が分からないわ。
しかしこの後も会話は少なかったけれど、節々にユアン王子の気遣いを感じた。



