着替えを手伝って網羅うことにも慣れないからなんだか恥ずかしい。でも、ドレスなんて気することはできても着ることには慣れていないから助かる。
照れながら着替えをすると、リリーさんが首を傾げた。
「ジュアナ様、少しお痩せになられました?」
腰元のリボンを結びながらそう聞かれ、ドキッとする。本物のジュアナお嬢様より私の方が体の線が細い。ここにあるドレスはジュアナお嬢様の体系を基準に作られているはずだから、私に合わなくて当然なのだ。
「す、少しダイエットをしたので、そのせいでしょうか」
ここに来る前の旦那様の言葉に合わせ、そう言い訳をする。
「そうですか。ご心配しなくてもリボンで調整できますので大丈夫ですよ」
優しくそう言われ、ホッとした。怪しまれなくて済んだようだ。
ちょっとしたことで、本物のジュアナお嬢様との違いが出てしまう……。気をつけなければ。とはいえ、体形だけはどうしようもないが……。
そして、出来上がった自分を鏡で見て一瞬言葉を失う。
これは……。
「大変お美しいです」
「あ、ありがとうございます……」
鏡に映るのはジュアナお嬢様だった。よくよく見ると、少し違うが化粧をして髪を結った姿は驚くほどお嬢様に似ていた。
よく知らない人から見たら間違えるだろう。
似ている似ていると言われていたけれど、ここまでとは……。
なんだか胸が痛くなってしまった。
着飾れば聞かざるほど、本当の私からは遠ざかっていく。ジュアナとして生きていくのだから当然なのだけれど、どんどんと私がなくなってきくようで寂しい気がしてしまった。
「覚悟が足りないわね……」
私の小さな呟きに、リリーさんが「何か仰いましたか?」と振り返る。
「いいえ。でも王宮では毎日こうして着飾らないといけないのでしょうか? あの、お屋敷ではここまでではなかったので」
ジュアナお嬢様でも、出かける予定がない日はもう少しラフな様子だった。こんな風に化粧をして髪をセットしてアクセサリーまでつけて、というのは気合を入れて出かける日だけだった気がする。
すると、リリーさんは首を不思議そうに傾げた。
「コーラン様からお聞きになっていないですか? 昼食はユアン王子様とお取りになる予定だと……」
「えぇ!?」
思わず素の声で驚いてしまった。私の声にリリーさんも目を丸くする。でもそんなこと気にしていられない。
待って、そんな話、聞いてないけど!?
驚いたまま固まる私にリリーさんは申し訳なさそうにした。
「申し訳ありません。てっきりコーラン様から昨日聞いているものだとばかり」
「いえ……。大丈夫……です……」
嘘だ。全く大丈夫なんかじゃない!
コーラン様ったら! そんな大事なこと、どうして早く言ってくれなかったの! またあの王子に会わなきゃいけないなんて……。
昨日見た冷たい瞳を思い出す。
あの瞳にさらされながら食事とか、無理なんですけど……。
しかも、食事マナーは朝の段階で恐る恐るだ。一応、何とかクリアできたとは思うけれどいきなり本番は辛い。しかも相手はユアン殿下。
さて、エルマ。どうする? ここはいっそ、体調不良になる? いや、そんなことしたら王宮医師がやってくるだろう。大勢の人に仮病をつくのはちょっとな……。それこそ、ジュアナお嬢様ではないと見破られる可能性が高まるし……。じゃぁ、堂々と断る? ……私にそんな選択肢なんてまずあり得ない。
もうここは腹をくくるしかないか。
食事マナーや作法を指摘されたら緊張しているからだと押し切るしかなさそうだ。
照れながら着替えをすると、リリーさんが首を傾げた。
「ジュアナ様、少しお痩せになられました?」
腰元のリボンを結びながらそう聞かれ、ドキッとする。本物のジュアナお嬢様より私の方が体の線が細い。ここにあるドレスはジュアナお嬢様の体系を基準に作られているはずだから、私に合わなくて当然なのだ。
「す、少しダイエットをしたので、そのせいでしょうか」
ここに来る前の旦那様の言葉に合わせ、そう言い訳をする。
「そうですか。ご心配しなくてもリボンで調整できますので大丈夫ですよ」
優しくそう言われ、ホッとした。怪しまれなくて済んだようだ。
ちょっとしたことで、本物のジュアナお嬢様との違いが出てしまう……。気をつけなければ。とはいえ、体形だけはどうしようもないが……。
そして、出来上がった自分を鏡で見て一瞬言葉を失う。
これは……。
「大変お美しいです」
「あ、ありがとうございます……」
鏡に映るのはジュアナお嬢様だった。よくよく見ると、少し違うが化粧をして髪を結った姿は驚くほどお嬢様に似ていた。
よく知らない人から見たら間違えるだろう。
似ている似ていると言われていたけれど、ここまでとは……。
なんだか胸が痛くなってしまった。
着飾れば聞かざるほど、本当の私からは遠ざかっていく。ジュアナとして生きていくのだから当然なのだけれど、どんどんと私がなくなってきくようで寂しい気がしてしまった。
「覚悟が足りないわね……」
私の小さな呟きに、リリーさんが「何か仰いましたか?」と振り返る。
「いいえ。でも王宮では毎日こうして着飾らないといけないのでしょうか? あの、お屋敷ではここまでではなかったので」
ジュアナお嬢様でも、出かける予定がない日はもう少しラフな様子だった。こんな風に化粧をして髪をセットしてアクセサリーまでつけて、というのは気合を入れて出かける日だけだった気がする。
すると、リリーさんは首を不思議そうに傾げた。
「コーラン様からお聞きになっていないですか? 昼食はユアン王子様とお取りになる予定だと……」
「えぇ!?」
思わず素の声で驚いてしまった。私の声にリリーさんも目を丸くする。でもそんなこと気にしていられない。
待って、そんな話、聞いてないけど!?
驚いたまま固まる私にリリーさんは申し訳なさそうにした。
「申し訳ありません。てっきりコーラン様から昨日聞いているものだとばかり」
「いえ……。大丈夫……です……」
嘘だ。全く大丈夫なんかじゃない!
コーラン様ったら! そんな大事なこと、どうして早く言ってくれなかったの! またあの王子に会わなきゃいけないなんて……。
昨日見た冷たい瞳を思い出す。
あの瞳にさらされながら食事とか、無理なんですけど……。
しかも、食事マナーは朝の段階で恐る恐るだ。一応、何とかクリアできたとは思うけれどいきなり本番は辛い。しかも相手はユアン殿下。
さて、エルマ。どうする? ここはいっそ、体調不良になる? いや、そんなことしたら王宮医師がやってくるだろう。大勢の人に仮病をつくのはちょっとな……。それこそ、ジュアナお嬢様ではないと見破られる可能性が高まるし……。じゃぁ、堂々と断る? ……私にそんな選択肢なんてまずあり得ない。
もうここは腹をくくるしかないか。
食事マナーや作法を指摘されたら緊張しているからだと押し切るしかなさそうだ。



