そのまま私の自室となる部屋に案内された。
部屋を開けると、白を基調とした日当たりの良い明るく広い部屋だった。開いた窓から心地よい風が入ってくる。部屋の中は二間になっており、奥が寝室のようだ。ソファーやテーブルもクリーム色で可愛らしい形をしており、私は一目で気に入った。
この部屋を作った人はセンスがいい。さすがは王宮だ。
「素敵なお部屋ですね」
「お気に召したのなら何よりです。ジュアナ様が使われる洋服、その他一式はこちらでご用意させていただきました。寝室のクローゼットに入っておりますので、後でご確認くださいね」
コーラン様はそう話しながら、侍女らが持ってきた紅茶を手早く入れている。無駄のないその動きに目が離せない。私も長く使用人として仕えていたけど、コーラン様はレベルが違うと思った。
さすが王宮仕え。そこら辺の使用人とはわけが違うわ。
私も使用人として、コーラン様の動きには見惚れてしまっていた。
さらに紅茶缶のラベルは、ラニマールのお屋敷でも使っていた高級品と同じだ。ジュアナお嬢様が好んでよく飲んでいた。そこまでわかっているなんて流石だ。
私がソファーに座ると、タイミングよく紅茶を出してくれた。
「あ、ありがとうございます」
いつも紅茶を出している側だったので、こういうのは慣れない。ドキドキしながらお礼を言いつつ口に運ぶ。その美味しさには目が輝くほどだった。
「美味しい! この茶葉はお屋敷でも使っていましたが、ここまで美味しくは入れられませんでした。コーラン様、どうやって入れたのですか? 参考にしたいです!」
いつもお嬢様に出す前に、入れたての最初の数口は私が試飲してから出すようにしている。風味や香り、熱さを確認するのだ。
しかし、同じ紅茶なのにここまで美味しく入れることは出来なかった。
「普通に入れただけですよ。参考にしたいって……、ジュアナ様はご自分でも紅茶を入れるのですか?」
ニッコリ微笑まれながらそう聞かれて、自分の失言に気が付いた。
基本的に、使用人のいる家はわざわざ自分で紅茶をいれたりしない。もちろん、ジュアナお嬢様も自分で入れたことなど一度もなかった。
「あ、えっと……、時々ですが自分でやってみたくなることがあって。それで入れてみたんです」
目が泳ぎつつも笑いながらそう返すと、それ以上は突っ込まれなかった。
「なるほど。そう言うこともありますよね。ユアン様もご自分で入れることがあるんですよ。自分で入れた方が早いって言って、私にやらせてくれないんですよ」
困ったものだと言うように苦笑する。
「コーラン様はユアン王子をよくご存じなのですね」
主がいないからと言っても、その親しそうな口ぶりに思わずそう聞き返した。やはりただの王宮からの使者というわけではなさそうだ。
「えぇ。私はユアン様の側近でございますから。これからはユアン様とジュアナ様双方の橋渡し的な存在と考えていただいてよろしいですよ。なので、何かありましたら遠慮なく仰ってくださいね」
それを聞いて、私はにっこりと微笑むだけに収めた。
側近!? どうりで……。何かあったらなんていうけど……、どう考えても言えないでしょう……。だって、言ったことがユアン王子に筒抜けになるかもしれないってことでしょう? まぁ、何でもかんでもそのまま王子に言ったりはしないでしょうけど……。失言には気をつけないといけないわ。
益々気が抜けない。内心ため息が漏れた。
コーラン様が出て行った後、一人になってやっとゆっくり息が吸えた気がした。
部屋を開けると、白を基調とした日当たりの良い明るく広い部屋だった。開いた窓から心地よい風が入ってくる。部屋の中は二間になっており、奥が寝室のようだ。ソファーやテーブルもクリーム色で可愛らしい形をしており、私は一目で気に入った。
この部屋を作った人はセンスがいい。さすがは王宮だ。
「素敵なお部屋ですね」
「お気に召したのなら何よりです。ジュアナ様が使われる洋服、その他一式はこちらでご用意させていただきました。寝室のクローゼットに入っておりますので、後でご確認くださいね」
コーラン様はそう話しながら、侍女らが持ってきた紅茶を手早く入れている。無駄のないその動きに目が離せない。私も長く使用人として仕えていたけど、コーラン様はレベルが違うと思った。
さすが王宮仕え。そこら辺の使用人とはわけが違うわ。
私も使用人として、コーラン様の動きには見惚れてしまっていた。
さらに紅茶缶のラベルは、ラニマールのお屋敷でも使っていた高級品と同じだ。ジュアナお嬢様が好んでよく飲んでいた。そこまでわかっているなんて流石だ。
私がソファーに座ると、タイミングよく紅茶を出してくれた。
「あ、ありがとうございます」
いつも紅茶を出している側だったので、こういうのは慣れない。ドキドキしながらお礼を言いつつ口に運ぶ。その美味しさには目が輝くほどだった。
「美味しい! この茶葉はお屋敷でも使っていましたが、ここまで美味しくは入れられませんでした。コーラン様、どうやって入れたのですか? 参考にしたいです!」
いつもお嬢様に出す前に、入れたての最初の数口は私が試飲してから出すようにしている。風味や香り、熱さを確認するのだ。
しかし、同じ紅茶なのにここまで美味しく入れることは出来なかった。
「普通に入れただけですよ。参考にしたいって……、ジュアナ様はご自分でも紅茶を入れるのですか?」
ニッコリ微笑まれながらそう聞かれて、自分の失言に気が付いた。
基本的に、使用人のいる家はわざわざ自分で紅茶をいれたりしない。もちろん、ジュアナお嬢様も自分で入れたことなど一度もなかった。
「あ、えっと……、時々ですが自分でやってみたくなることがあって。それで入れてみたんです」
目が泳ぎつつも笑いながらそう返すと、それ以上は突っ込まれなかった。
「なるほど。そう言うこともありますよね。ユアン様もご自分で入れることがあるんですよ。自分で入れた方が早いって言って、私にやらせてくれないんですよ」
困ったものだと言うように苦笑する。
「コーラン様はユアン王子をよくご存じなのですね」
主がいないからと言っても、その親しそうな口ぶりに思わずそう聞き返した。やはりただの王宮からの使者というわけではなさそうだ。
「えぇ。私はユアン様の側近でございますから。これからはユアン様とジュアナ様双方の橋渡し的な存在と考えていただいてよろしいですよ。なので、何かありましたら遠慮なく仰ってくださいね」
それを聞いて、私はにっこりと微笑むだけに収めた。
側近!? どうりで……。何かあったらなんていうけど……、どう考えても言えないでしょう……。だって、言ったことがユアン王子に筒抜けになるかもしれないってことでしょう? まぁ、何でもかんでもそのまま王子に言ったりはしないでしょうけど……。失言には気をつけないといけないわ。
益々気が抜けない。内心ため息が漏れた。
コーラン様が出て行った後、一人になってやっとゆっくり息が吸えた気がした。



