僕ら×回目の卒業式を〜RE→volution〜

(天道レオンside)
「…僕はあの日、最近この向川町で起きている行方不明事件を調べていたんだ」
「最近起きている?」
「ああ。そしてまあ、取材のために車を運転していた時…」
あの時…

車を運転してたらなんか感覚がおかしいって思って。
『う、うわああぁぁぁ!?っなななななに!?!?』
気がついたらこのドリームシティにいた。
一体なんなのか訳がわからず、リストジュエルを手にして、ここの住人となった。
「でも、そうしていたらみたんだ。だれかがリストジュエルを壊されて、意識を失い連行されているところを」
「私たちと同じだ…!」
「それからあれがなんだったのか、どうしても気になって、ここのことを調べていたんだ」
「あの」
「どうかした?」
「その持っている情報、教えてくれませんか…?」
情報を渡すのにはリスクがいる。「あいつ」の仲間に知られたら…
でも、この子はそんなことしないよね。
「かまわないよ」
「そうですか…それでは、教えてください」

「…君、コインは持ってるか?」
「あ…もってないです…」
「ここでのコインの管理は厳重にしたほうがいいよ」
「厳重…?」
「あのコインがなくなれば、僕らは一瞬にして死を迎える」
「えっ…!死っ…」
動揺してるだろう。
だがここではその事実を知らないと生きていけない。
「おまけにコインは手に入れるのも簡単ではない。なんならコインは食べ物など生活するために必要となる」
「何その意地悪仕様…」
「それからリストジュエルにも気をつけたほうがいい」
「リストジュエルって、これですか?」
目の前の少女が少女が被っている帽子を指差す。そこには、赤いリストジュエルがあった。
「あのリストジュエルこそ、僕らの本体そのもののようなものだ。体ではなく、リストジュエルが本体だ」
「リストジュエルが本体!?」
「つけた途端生命の管理は全てリストジュエルに支配され、割れるようなら僕らは地獄行きだ」
「じ…地獄行き…」
少しだけ沈黙が流れる。
「私たちが見たさっきの人は、…死んでるんですか」
「厳密には死んでない」
「…!本当ですか!?」
「だが僕らはリストジュエルが本体だ。常に破られているなら、からだはただの抜け殻だ」
「ぬ…抜け殻って…」
「どうやら体はどこかの倉庫に保管されるらしいが、何せ倉庫は頑丈。誰も出れやしないし開けることもできない。開いたとしても…」
「…死ぬ」
答えを先取りされる。

「それからは?」
「それからは僕もわからない。ここから出る方法も、リストジュエルを壊して何をするのかも、まだ闇の中だ」
「…そうですか」
「…あ、そうだ」
僕は立ち上がった。
「せっかくだから、新しい情報を手に入れたら君にも伝えるよ」
「…!ほんとですか?」
「仲間たちがいただろう?その子たちにも共有できれば、犠牲者も減るはず」
「…わかりました!何かあったら、いつでも、ここにきます」
…そういや、この子コイン持ってなかった。
「よっ」
パシッ
「…え?コイン…」
「2枚あげるよ」
「いっ…いいんですか?」
「まあでもずっと他人にもらい続けるのもよしてね。君はしないだろうけど」
「しません」
後ろを振り返る。
「絶対にしません。私も、ここで頑張って過ごしながら、レオンさんの情報を待ちます。ありがとうございました」
あの子は丁寧にお辞儀をする。
「…ったく…君って本当に律儀だね…あ、君の名前、まだ聞いてなかったね」
「あっそうだった」
「君名前は?」

「十海マイア」