妹はワガママだった。
公爵令嬢として生まれた私達は生まれつきかしづかれており、その結果妹のエリザベートはワガママを極めてしまった!
そんな妹に比べ、姉の私、コーデリアはワガママでは無いと思われている。
まぁ駄々っ子に等しいエリザベートを見ればそう思うのは分かりますけどね。
今日もエリザベートは暴れている。
「ちょっとクソコックでてきなさいよ!私の今日の気分はシチューなのよ!どうしてステーキを出したの!」
コックがでてきて平謝りを開始する……
「お嬢様はステーキが大好物のはずですが……」
「うるさい!私の今日の気分はシチューなの!何でそれが分からないの!」
馬鹿である、分かるわけが無い。それを伝えたのならまだしも、お前が脳で思ったことがコックがエスパーじゃあるまいに、伝わるわけが無いのだ!
「申し訳ありません!」
コックが謝っているが、誰も止めることはできない。
しかしコックも他のものも知っている、馬鹿はほっとけばそのうち収まるってことも……
こうしてお父様やお母様がいる時はまだしも、それ以外の時は暴れ放題なのだ!
私は止めないのかって?
無能なお父様がいるこの家の前でそれをする意味を失ったから。
どういうことかというと、私が馬鹿なエリザベートに、
「お前の戯言なんて周りは知らねぇんだよ!」って言ってやったことがある。
だが、その意味を理解せずに、姉にいじめられたとお父様に訴え、
流石に私がいじめたと一方的に悪い扱いはされなかったのだが、
喧嘩をした扱いにされたのだ。
ざけんな!って思ったね、私に非があると一切思わなかったので。
さらにお母様も無能で触らぬ神にたたりなしと思っているのか、
「言い方を考えなさい」と来たもんだ。
何で私が馬鹿の機嫌取りをしないといけないんだ!
こうして無能な両親が結果的に馬鹿なエリザベートのご機嫌取りをしてるからああも横暴なのだ!
流石に両親、特にお父様が見ている場面では、優しくなだめるから暴れないのだけど、そうじゃないとね。
つまり元々生まれつき馬鹿なエリザベートだと思うけど、それが増長したのは無能両親のせいだと思う。
そして外でもエリザベートの評判は最悪である。
公爵令嬢ってことで、私達に取り入ろうとする下位令嬢は多数いる。
少しでも公爵家とお近づきになりたいと言うのは分かる。
だがエリザベートは機嫌がいい時と悪い時の差が激しく、さらに自分が思ったことが瞬時に周りに理解されないとコックの時と同様癇癪を起こすので、周りからしたら地雷ポイントが分からないって感じで、少しでも頭がまともな令嬢は全員逃げてしまった。
今エリザベートの周りにいる奴は、エリザベートが機嫌がいい時に公爵家を利用したいとする、意地汚い奴らしかきっと残っていない。
完全に詳しくは知らないが、あんなボケの周りにまだ我慢してる令嬢がいるとしたら、それ以外ありえないと思うから。
こうして問題児極まりないエリザベートだったが、ある日陛下から命令が来た。
王太子様の婚約者を我が公爵家から選ぶということで、王太子様は私よりも1歳年上、エリザベートよりも3歳年上で、年齢が近い私達のどちらかから選ばれるということになった。
私は普段はまだしも相手が王家なので、無能両親に言う。
「エリザベートを出すのは危険ではありません?万が一王家の不興を買ったら……」
と忠告しておいたが、甘くて馬鹿な両親は「いくらエリザベートでもそこは弁えるだろう!ならば少しでもチャンスはあったほうがいい!」
などと言ってる。
もしかしてあのボケ両親共は、王太子様がエリザベートを気に入ってくれたら、厄介払いと政略結婚の同時が達成できるみたいな、舐め切ったことを思っているのだろうか?
いやいや王家をお前ら舐めてないか?
まぁいざとなったら、私もエリザベートを罵倒しまくって、公爵家が悪いでのはなく、エリザベート単体が間抜けなんですってことにして、私だけは助かろうそうしよう!と思うのであった……!
こうして私とエリザベートはとびっきりオシャレをして城へと向かうことになった。
もちろんオシャレの最中、エリザベートのボケは
「こうじゃないのよ!これじゃ可愛くないの!」って文句を言いまくり、
それでいながらどう変えればいいかはまともに言えないので、難儀したのは言うまでもない。
素人は黙ってろよ、改善案も出せずに違うって言われても相手も分からないんだよボケが!
とだけ……
いやなまじ多少は知ってるからそのせいでいらん口出しをしてるのだろうか?
半端なものが悪いってことだね……
こうして城にたどり着くと王太子様達がお待ちしていた。
流石の馬鹿なエリザベートも最初は王家の歓迎に威圧されたのか、満足したようなのか、大人しかった。
私は両親が言うように、この馬鹿でも弁えるだけの頭があったのか?と少し安心したというか、でもそうは甘く無いやろと思っていたら案の定だった……
こうして食事の間は穏やかだったのだが、最後のティータイムの頃となると、エリザベートがとんでもないことを言い出したのであった!
「こんなにも素敵な食事会嬉しいですわ!こんなにも歓迎されたし王太子様カッコいいから私結婚することを決めましたわ!」
などとほざきだした。お前何様だよ、私達は選ばれる立場で、選ぶ立場が向こうだって理解してねぇのかこのボケは!
私は思わず睨みつけると、王太子様のほうがもっと冷たかった。
「なるほど、君は自分が結婚しようと思えば結婚できると思うのだね?」
「?何を言ってるのかしら、私が結婚をしたいのだから結婚する当たり前じゃないかしら?」
「すぐにこの下郎を叩き出せ!」
激怒した王太子様によって追い出されそうになったエリザベートは、
「どうしてなの!私王太子様を褒めたじゃない!」
などと戯言を言ってる。
馬鹿かこいつは、何で王太子様が結婚するかどうかの意思表示をしていないのに、てめーの願いが叶う前提の物言いをしたのが、無礼に当たらないと思ったのか。
王太子様は私達よりも偉い方なんだぞ、結果として偉い人を思い通りにできるとはき違えた言動で、激怒して当然では無いか!
私は慌てて「王太子様愚妹が失礼をしました!」
と謝罪をするとエリザベートはブチ切れて、
「お姉様!?自分が結婚しようとして媚びているのね最低ですわ!」
などと寝言を言うので、私も激怒した!
「お前が王太子様を怒らせたら公爵家にも迷惑がかかるって言ってるだ分かってないなら引っ込んでろ!」
思わずビンタまでかましてしまったが、これは馬鹿への怒りよりも保身のためである。
ようは公爵家全体がエリザベートみたいな傲慢な存在だと思われたら、王家に逆賊として最悪睨まれるからである!
違うってことを示さないとね!
エリザベートはヒステリックに暴れるも王家のものによって叩き出された……
私は王太子様に慌てて言う……
「……失礼しました、念のため臣は申しておきますが、公爵家があのような傲慢な考えをしているわけではないので、なにとぞご理解を!」
「……うんどうやら君が違うことはよく分かったよ……!」
などと冷たい鋭い目で言ってくる。
無茶苦茶怖いよ!
これが逆鱗に触れるって奴で、王家が我々貴族と絶対的な断絶として存在するってことなんだなと、私は知識としては知っていたが、生まれて初めて実感をした!
「念のために聞くが私が何故怒ったのか、君は分かるよね?」
「もちろんでございます、王太子様はエリザベートと結婚するかどうかのお考えを示されていませんでした、つまり応じるも応じないも王太子様のお気持ち1つ、にも拘らず、それを無視して自分が結婚したいと思ったから結婚できる、こんな横暴な態度を、何故たかが貴族ごときが取っていいと思ったのか、それでお怒りは必然ですね」
「正しいけどそれだけでは無いよ、もっと本質的な問題だ」
「と言われますと?」
「確かに私は君達よりも身分が高いから怒りを示して叩き出す実行力もある。だが仮に相手の身分が低くても、力で強制するのならまだしも、まぁこれは最終手段だが、そうでない場合は同意が無ければ物事は成り立たない。なのにそれを理解していない無能だと分かったから、関わりたくないと思っただけだ!」
もっともである、あのボケは、自分がしたいと思うのは勝手だが、相手に何かしてもらう時は同意が無ければ成り立たない、それが理解できない馬鹿たれだったのだ。
生まれつきかしづかれて忖度されまくったせいで、余計に理解できなかったのだろう。
とはいえあのボケの自業自得である、同じ環境であっても、私はあそこまで馬鹿じゃなかったのだから……と言いたいがそうでもない……
王太子様は仰る。
「うん、どうせ政略結婚は逃れられないし、道理が分かるコーデリア嬢君ならば問題無いから、結婚しようと思うがどうかね?」
あちゃーやはりこう来てしまったか!
王太子様は確かにカッコもいいし頭もいい、が怖すぎる。
この方のさっきの冷たい挙動を見て、とても私は安心して暮らしていけない。
私がもっと恵まれない立場か強い野心を持っているのならそれでも王太子様と共に歩むのもいいと思う。
が私は公爵令嬢であり、現状何1つ困っていないのに、こんな恐ろしい方とわざわざ過ごしたくないのだ……
そう思うことに気づいた!なので、
「恐れながら王太子様、私非才なので、とても王太子様の妻、そして将来の王妃など務まる気がしませんわ!」
体よく断ったつもりだが王太子様は見切っていた!
「……なるほど王家と関わることの大変さを見切って断るということかな?」
冷や汗しか出ない!
「……恐れながらその通りでございます、臣の弱さをどうかお許しください!」
すると王太子様は意外にも優しく、
「先ほど同意がなければ、力づく以外は成立しないと言った以上、同意が無いのであれば仕方ないな、私は君を力づくでモノにしようとは考えていないから残念だよ!」
などとどこか含みがある笑いをしてくる……
いやいやだから怖いって!
「とはいえ君はきっと優秀だからこれからも頼むよ」
などと言われ、それについては、
「はい私も王家に仕える臣として、出来る限り努力させて頂きます!」
としたことで、最終的に馬鹿なエリザベートと違って、私は一切お咎めが無く安心をした……
私は帰った後に思った、王太子様はあの通り道理も通じる方だけど、あの方はいざとなれば力づくをする方、ようは恐ろしい人なのだ、そんな人と結婚をするのは、王太子様に心底従順であれる女以外無理だろなと思った。
そう言う意味で私は超ワガママなのだ、相手が王家であっても、絶対服従はしたくないのだから!
そして私は王太子様の婚約を断った女ということで、エリザベートとワガママ姉妹などと噂されるようになった。
王太子様がこんな下らない噂を流すわけないから、馬鹿貴族共がエリザベートの悪評のせいで、私まで巻き添えにしたんだろうけど、別に構わないと思った。
だってエリザベートと違って私が今まで一見ワガママに見えなかったのは、知能の違いで、
私はね、小さい頃からいくら周りが私にかしづこうとしたからって、思い通りにならないことは知っていて、ようは相手のやる気があっても上手く行かない、私が思ったことはすんなり伝わらず、上手くいかない、まして伝えても無いのに、思い通りになるなんてありえない、こう言う現実を知っているから、
期待しても無駄、思い通りにはならないのよ、本当は思い通りにしたい超ワガママの強欲だからこそ、そうならない現実に諦めただけの存在に過ぎないのだから……
オシャレの知識もそうだけど、中途半端な妹は自爆して、
超ワガママを極めた私のほうがまともなのよ!
公爵令嬢として生まれた私達は生まれつきかしづかれており、その結果妹のエリザベートはワガママを極めてしまった!
そんな妹に比べ、姉の私、コーデリアはワガママでは無いと思われている。
まぁ駄々っ子に等しいエリザベートを見ればそう思うのは分かりますけどね。
今日もエリザベートは暴れている。
「ちょっとクソコックでてきなさいよ!私の今日の気分はシチューなのよ!どうしてステーキを出したの!」
コックがでてきて平謝りを開始する……
「お嬢様はステーキが大好物のはずですが……」
「うるさい!私の今日の気分はシチューなの!何でそれが分からないの!」
馬鹿である、分かるわけが無い。それを伝えたのならまだしも、お前が脳で思ったことがコックがエスパーじゃあるまいに、伝わるわけが無いのだ!
「申し訳ありません!」
コックが謝っているが、誰も止めることはできない。
しかしコックも他のものも知っている、馬鹿はほっとけばそのうち収まるってことも……
こうしてお父様やお母様がいる時はまだしも、それ以外の時は暴れ放題なのだ!
私は止めないのかって?
無能なお父様がいるこの家の前でそれをする意味を失ったから。
どういうことかというと、私が馬鹿なエリザベートに、
「お前の戯言なんて周りは知らねぇんだよ!」って言ってやったことがある。
だが、その意味を理解せずに、姉にいじめられたとお父様に訴え、
流石に私がいじめたと一方的に悪い扱いはされなかったのだが、
喧嘩をした扱いにされたのだ。
ざけんな!って思ったね、私に非があると一切思わなかったので。
さらにお母様も無能で触らぬ神にたたりなしと思っているのか、
「言い方を考えなさい」と来たもんだ。
何で私が馬鹿の機嫌取りをしないといけないんだ!
こうして無能な両親が結果的に馬鹿なエリザベートのご機嫌取りをしてるからああも横暴なのだ!
流石に両親、特にお父様が見ている場面では、優しくなだめるから暴れないのだけど、そうじゃないとね。
つまり元々生まれつき馬鹿なエリザベートだと思うけど、それが増長したのは無能両親のせいだと思う。
そして外でもエリザベートの評判は最悪である。
公爵令嬢ってことで、私達に取り入ろうとする下位令嬢は多数いる。
少しでも公爵家とお近づきになりたいと言うのは分かる。
だがエリザベートは機嫌がいい時と悪い時の差が激しく、さらに自分が思ったことが瞬時に周りに理解されないとコックの時と同様癇癪を起こすので、周りからしたら地雷ポイントが分からないって感じで、少しでも頭がまともな令嬢は全員逃げてしまった。
今エリザベートの周りにいる奴は、エリザベートが機嫌がいい時に公爵家を利用したいとする、意地汚い奴らしかきっと残っていない。
完全に詳しくは知らないが、あんなボケの周りにまだ我慢してる令嬢がいるとしたら、それ以外ありえないと思うから。
こうして問題児極まりないエリザベートだったが、ある日陛下から命令が来た。
王太子様の婚約者を我が公爵家から選ぶということで、王太子様は私よりも1歳年上、エリザベートよりも3歳年上で、年齢が近い私達のどちらかから選ばれるということになった。
私は普段はまだしも相手が王家なので、無能両親に言う。
「エリザベートを出すのは危険ではありません?万が一王家の不興を買ったら……」
と忠告しておいたが、甘くて馬鹿な両親は「いくらエリザベートでもそこは弁えるだろう!ならば少しでもチャンスはあったほうがいい!」
などと言ってる。
もしかしてあのボケ両親共は、王太子様がエリザベートを気に入ってくれたら、厄介払いと政略結婚の同時が達成できるみたいな、舐め切ったことを思っているのだろうか?
いやいや王家をお前ら舐めてないか?
まぁいざとなったら、私もエリザベートを罵倒しまくって、公爵家が悪いでのはなく、エリザベート単体が間抜けなんですってことにして、私だけは助かろうそうしよう!と思うのであった……!
こうして私とエリザベートはとびっきりオシャレをして城へと向かうことになった。
もちろんオシャレの最中、エリザベートのボケは
「こうじゃないのよ!これじゃ可愛くないの!」って文句を言いまくり、
それでいながらどう変えればいいかはまともに言えないので、難儀したのは言うまでもない。
素人は黙ってろよ、改善案も出せずに違うって言われても相手も分からないんだよボケが!
とだけ……
いやなまじ多少は知ってるからそのせいでいらん口出しをしてるのだろうか?
半端なものが悪いってことだね……
こうして城にたどり着くと王太子様達がお待ちしていた。
流石の馬鹿なエリザベートも最初は王家の歓迎に威圧されたのか、満足したようなのか、大人しかった。
私は両親が言うように、この馬鹿でも弁えるだけの頭があったのか?と少し安心したというか、でもそうは甘く無いやろと思っていたら案の定だった……
こうして食事の間は穏やかだったのだが、最後のティータイムの頃となると、エリザベートがとんでもないことを言い出したのであった!
「こんなにも素敵な食事会嬉しいですわ!こんなにも歓迎されたし王太子様カッコいいから私結婚することを決めましたわ!」
などとほざきだした。お前何様だよ、私達は選ばれる立場で、選ぶ立場が向こうだって理解してねぇのかこのボケは!
私は思わず睨みつけると、王太子様のほうがもっと冷たかった。
「なるほど、君は自分が結婚しようと思えば結婚できると思うのだね?」
「?何を言ってるのかしら、私が結婚をしたいのだから結婚する当たり前じゃないかしら?」
「すぐにこの下郎を叩き出せ!」
激怒した王太子様によって追い出されそうになったエリザベートは、
「どうしてなの!私王太子様を褒めたじゃない!」
などと戯言を言ってる。
馬鹿かこいつは、何で王太子様が結婚するかどうかの意思表示をしていないのに、てめーの願いが叶う前提の物言いをしたのが、無礼に当たらないと思ったのか。
王太子様は私達よりも偉い方なんだぞ、結果として偉い人を思い通りにできるとはき違えた言動で、激怒して当然では無いか!
私は慌てて「王太子様愚妹が失礼をしました!」
と謝罪をするとエリザベートはブチ切れて、
「お姉様!?自分が結婚しようとして媚びているのね最低ですわ!」
などと寝言を言うので、私も激怒した!
「お前が王太子様を怒らせたら公爵家にも迷惑がかかるって言ってるだ分かってないなら引っ込んでろ!」
思わずビンタまでかましてしまったが、これは馬鹿への怒りよりも保身のためである。
ようは公爵家全体がエリザベートみたいな傲慢な存在だと思われたら、王家に逆賊として最悪睨まれるからである!
違うってことを示さないとね!
エリザベートはヒステリックに暴れるも王家のものによって叩き出された……
私は王太子様に慌てて言う……
「……失礼しました、念のため臣は申しておきますが、公爵家があのような傲慢な考えをしているわけではないので、なにとぞご理解を!」
「……うんどうやら君が違うことはよく分かったよ……!」
などと冷たい鋭い目で言ってくる。
無茶苦茶怖いよ!
これが逆鱗に触れるって奴で、王家が我々貴族と絶対的な断絶として存在するってことなんだなと、私は知識としては知っていたが、生まれて初めて実感をした!
「念のために聞くが私が何故怒ったのか、君は分かるよね?」
「もちろんでございます、王太子様はエリザベートと結婚するかどうかのお考えを示されていませんでした、つまり応じるも応じないも王太子様のお気持ち1つ、にも拘らず、それを無視して自分が結婚したいと思ったから結婚できる、こんな横暴な態度を、何故たかが貴族ごときが取っていいと思ったのか、それでお怒りは必然ですね」
「正しいけどそれだけでは無いよ、もっと本質的な問題だ」
「と言われますと?」
「確かに私は君達よりも身分が高いから怒りを示して叩き出す実行力もある。だが仮に相手の身分が低くても、力で強制するのならまだしも、まぁこれは最終手段だが、そうでない場合は同意が無ければ物事は成り立たない。なのにそれを理解していない無能だと分かったから、関わりたくないと思っただけだ!」
もっともである、あのボケは、自分がしたいと思うのは勝手だが、相手に何かしてもらう時は同意が無ければ成り立たない、それが理解できない馬鹿たれだったのだ。
生まれつきかしづかれて忖度されまくったせいで、余計に理解できなかったのだろう。
とはいえあのボケの自業自得である、同じ環境であっても、私はあそこまで馬鹿じゃなかったのだから……と言いたいがそうでもない……
王太子様は仰る。
「うん、どうせ政略結婚は逃れられないし、道理が分かるコーデリア嬢君ならば問題無いから、結婚しようと思うがどうかね?」
あちゃーやはりこう来てしまったか!
王太子様は確かにカッコもいいし頭もいい、が怖すぎる。
この方のさっきの冷たい挙動を見て、とても私は安心して暮らしていけない。
私がもっと恵まれない立場か強い野心を持っているのならそれでも王太子様と共に歩むのもいいと思う。
が私は公爵令嬢であり、現状何1つ困っていないのに、こんな恐ろしい方とわざわざ過ごしたくないのだ……
そう思うことに気づいた!なので、
「恐れながら王太子様、私非才なので、とても王太子様の妻、そして将来の王妃など務まる気がしませんわ!」
体よく断ったつもりだが王太子様は見切っていた!
「……なるほど王家と関わることの大変さを見切って断るということかな?」
冷や汗しか出ない!
「……恐れながらその通りでございます、臣の弱さをどうかお許しください!」
すると王太子様は意外にも優しく、
「先ほど同意がなければ、力づく以外は成立しないと言った以上、同意が無いのであれば仕方ないな、私は君を力づくでモノにしようとは考えていないから残念だよ!」
などとどこか含みがある笑いをしてくる……
いやいやだから怖いって!
「とはいえ君はきっと優秀だからこれからも頼むよ」
などと言われ、それについては、
「はい私も王家に仕える臣として、出来る限り努力させて頂きます!」
としたことで、最終的に馬鹿なエリザベートと違って、私は一切お咎めが無く安心をした……
私は帰った後に思った、王太子様はあの通り道理も通じる方だけど、あの方はいざとなれば力づくをする方、ようは恐ろしい人なのだ、そんな人と結婚をするのは、王太子様に心底従順であれる女以外無理だろなと思った。
そう言う意味で私は超ワガママなのだ、相手が王家であっても、絶対服従はしたくないのだから!
そして私は王太子様の婚約を断った女ということで、エリザベートとワガママ姉妹などと噂されるようになった。
王太子様がこんな下らない噂を流すわけないから、馬鹿貴族共がエリザベートの悪評のせいで、私まで巻き添えにしたんだろうけど、別に構わないと思った。
だってエリザベートと違って私が今まで一見ワガママに見えなかったのは、知能の違いで、
私はね、小さい頃からいくら周りが私にかしづこうとしたからって、思い通りにならないことは知っていて、ようは相手のやる気があっても上手く行かない、私が思ったことはすんなり伝わらず、上手くいかない、まして伝えても無いのに、思い通りになるなんてありえない、こう言う現実を知っているから、
期待しても無駄、思い通りにはならないのよ、本当は思い通りにしたい超ワガママの強欲だからこそ、そうならない現実に諦めただけの存在に過ぎないのだから……
オシャレの知識もそうだけど、中途半端な妹は自爆して、
超ワガママを極めた私のほうがまともなのよ!

