彼らの夏が終わる

 メイサと愛香はマックで昼食をテイクアウトし、そのままメイサの家へ向かった。

 メイサの部屋でテーブルを挟んで向かい合って座るなり、愛香はそのままテーブルへ突っ伏した。


「悔しいよおおお!!」

「うわ、びっくりした」

「メイちゃんは悔しくないわけ?」

「悔しいけども」


 メイサは紙袋から紙コップを取り出し、続けてポテトやナゲット、アップルパイ、サラダ、バーガーをテーブルへ並べていった。


「悔しさはノートにぶつけるからなあ」

「だからたまに筆圧で穴開いてるんだ」

「そうだよ」


 淡々と言って、メイサはコーラを一口飲み、ポテトをかじった。


「今回はね……接戦だったし」

「ほんとだよ!」


 愛香の手の中で、紙コップがくしゃりと歪んだ。


「ていうかラフプレー多過ぎ! 海斗くん、足首大丈夫だったかな」

「だから帰りはお姉さんが手を貸してたんでしょ。待ってなかったら、灰田が車で送ってたんじゃない?」

「一輝と大雅も散々ぶつかられてたし。須藤くんだいじょぶ?」

「んー、途中でがっつりテーピングしてあるし、学校戻るついでに保健室へ行くって言ってたから大丈夫だとは思うけど。一応ママさんに連絡しとくか」


 メイサはスマホを取り出し、藤也の母親へメッセージを送った。ほどなくして、「了解」と吹き出しの付いたサメのスタンプが送り返されてきた。


「あーあ。わたし、これで引退かあ……。メイちゃんは?」

「サッカー部はまだ試合が残ってるから、夏いっぱいはマネージャーしてると思うよ」

「いいなあ」

「まあ、私はほとんど引き継ぎと裏方だから」


 愛香は窓の外へ視線を向けた。夏の日差しに照らされた空は、相変わらず抜けるように青かった。

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