彼らの夏が終わる

 夏休み目前。朝の練習を終えたところで、メイサがぱしぱしと手を叩いた。

 体育館は窓も扉もすべて開け放たれ、夏の生ぬるい風がゆるやかに吹き込んでいた。

 窓の外には、雲一つない青空が大きく広がっていた。


「はい、もうすぐ二回戦です」

「まじかー」


 大雅(たいが)が体育館の床にひっくり返ったまま唸った。

 他の部員たちも同じように床へ倒れ込んだり、座り込んだままメイサを見上げたりしていた。


「そういうわけだから、お昼食べたら視聴覚室集合ね。対戦相手の試合動画観るよ」


 愛香(まなか)がにこりと微笑んで続けた。


「はいはい」


 海斗(かいと)が座り込んだまま手を上げる。


「そんなもん、どこで手に入れたんですか?」

「企業秘密でーす」


 メイサがにやっとした。

 愛香も同じように笑ってから、「んー、知り合いに協力を仰ぎました。相手は秘密。話がややこしくなるから」と言って、それ以上は明かさなかった。

 一輝(かずき)と大雅が同時に顔をしかめる。

 しかし愛香もメイサも、聞かれる前にボールやスコアボードの片付けに行ってしまった。

***