彼らの夏が終わる

 それから数日が過ぎると、藤也は目に見えてやつれていた。

 草野から引き継いでいる部長業と実家の花屋兼造園屋の手伝いもあり、高校二年生とは思えないほどに忙しかった。


「藤也、だいじょぶ?」


午前中は試験の返却、午後は園芸部。そのあと夕方によたよたとした足取りでバスケ部へ顔を出した藤也に、メイサは声をかけた。


「だめ。俺があと三人ほしい」

「草野叩いて働かせれば?」

「俺の部長、昭和のテレビじゃねえからさ……」

「まなちゃんが『草野くん、かっこいいね、がんばれ』って言えばあと三年は働くよ」

「発想がブラックすぎる。え、草野先輩そうなん?」


 藤也は体育館の隅でボールを運んでいる愛香へ視線を向けた。


「たぶんね。時々黒杉とにらみ合ってるもん。藤也もストレッチして、筋トレしよう」

「ういーっす」


 藤也は肩をぐるぐると回しながら床に腰を下ろした。

 メイサは、いつもより少しだけ優しく藤也の背中を押した。