彼らの夏が終わる

 翌日は日曜日で、学校も部活も休みだった。

 本来であれば地区大会の序盤は一日に何試合も組まれるものだが、今回は各校の予定や連休の日程が重なり、第二試合までは間が空いていた。

 一輝(かずき)はいつも通りの時間に起き、朝のランニングへ出かけた。一時間ほど走って帰宅すると、ちょうど母親が出かけるところだった。


「仕事で呼ばれちゃったから行ってくる。食事は昨日の残りが冷蔵庫に入ってるから、全部食べていいよ」

「はいよ、いってらっしゃい」

「お父さんは寝てるけど、午後からおばあちゃんのお見舞いって言ってたから、昼になっても起きなかったら起こしてあげてね」

「わかった」


 一輝は母親を見送ると、汗を流すためにシャワーを浴び、リビングへ向かった。

 食卓に置かれていたパンと、冷蔵庫から取り出したゆで卵、ヨーグルトで朝食を済ませ、自室へ戻った。

 宿題を片づけ、スマホを眺めても、まだ時計の針は九時前を指していた。


「んー……」


 一輝は手の中のスマホをぼんやりと眺めた。

 通知はない。

 少し迷ってLINEを開く。一番上はバスケ部のグループトーク。二番目は愛香(まなか)。三番目がクラスのグループトークで、四番目は大雅(たいが)

 一番目か、二番目。

 散々悩んだ末に二番目を押そうとした、そのときだった。家の呼び鈴が鳴った。


「はいはい、どちらさま……」


 インターホンに映っていたのは愛香だった。

***