練習試合の見学を終え、一行は夏の陽射しの中を学校へ戻った。
「別にあんたたちは来なくていいけど」
メイサがあきれたようにそう言うと、藤也は即座に
「やだ!!」
と言い返した。
「やだって何?」
「そわそわするから、なんかすることないとそわそわする」
「何言ってるのさ」
メイサは笑いながら藤也の頭を撫で、他の男子たちへ顔を向けた。
「あんたたちも戻る?」
「戻る」
真っ先に大雅が、落ち着かない様子でささやいた。
「さっきの試合の動画見るだろ?」
愛香が頷く。
「見る。見て、明日以降の練習メニュー組む」
「なら、全員で戻ろう」
一輝の一声で、一行は連れ立って学校へ戻った。
視聴覚室で撮影した練習試合の動画を再生しようとしたところで、灰田がひょいと顔をのぞかせた。
「おかえり、どうだった?」
「頑張れば勝てるんじゃないですか?」
メイサが気楽な調子で答えた。
「そう。じゃあ、頑張らせてね。せっかくだし、僕にも見せてよ」
「どういう風の吹き回しだ?」
一輝が首を傾げると、灰田は困ったように笑った。
「言っただろう。僕はバスケが好きなんだよ。君たちに勝ったときも負けたときも、バスケが楽しいと思ってほしくて顧問やってるんだ」
「教頭先生には勝てたんですか?」
愛香がスマホをプロジェクターにつなぎながら尋ねると、灰田は渋い表情を浮かべ、一輝の隣へ腰を下ろした。
「ぎりぎり引き分けかな。顧問の仕事ができていないからって、バスケ部を潰していいのかって脅してきてね。交通安全当番は外してもらえたよ。PTAも誰かに引き継いでほしいんだけど、この時期から保護者とのやり取りを別の先生に替えるのは難しいんだ……」
「動画流すよー。みんな座ってー」
灰田の愚痴を聞き流しながら、愛香が動画を再生した。部員たちは自然といつもの席に落ち着き、それぞれ前方のスクリーンへ視線を向ける。一輝と大雅は前の方、海斗と翔、藤也がその後ろ。
メイサも最後列でノートを広げ、隣の愛香とともに食い入るように試合映像を見つめた。
***
「別にあんたたちは来なくていいけど」
メイサがあきれたようにそう言うと、藤也は即座に
「やだ!!」
と言い返した。
「やだって何?」
「そわそわするから、なんかすることないとそわそわする」
「何言ってるのさ」
メイサは笑いながら藤也の頭を撫で、他の男子たちへ顔を向けた。
「あんたたちも戻る?」
「戻る」
真っ先に大雅が、落ち着かない様子でささやいた。
「さっきの試合の動画見るだろ?」
愛香が頷く。
「見る。見て、明日以降の練習メニュー組む」
「なら、全員で戻ろう」
一輝の一声で、一行は連れ立って学校へ戻った。
視聴覚室で撮影した練習試合の動画を再生しようとしたところで、灰田がひょいと顔をのぞかせた。
「おかえり、どうだった?」
「頑張れば勝てるんじゃないですか?」
メイサが気楽な調子で答えた。
「そう。じゃあ、頑張らせてね。せっかくだし、僕にも見せてよ」
「どういう風の吹き回しだ?」
一輝が首を傾げると、灰田は困ったように笑った。
「言っただろう。僕はバスケが好きなんだよ。君たちに勝ったときも負けたときも、バスケが楽しいと思ってほしくて顧問やってるんだ」
「教頭先生には勝てたんですか?」
愛香がスマホをプロジェクターにつなぎながら尋ねると、灰田は渋い表情を浮かべ、一輝の隣へ腰を下ろした。
「ぎりぎり引き分けかな。顧問の仕事ができていないからって、バスケ部を潰していいのかって脅してきてね。交通安全当番は外してもらえたよ。PTAも誰かに引き継いでほしいんだけど、この時期から保護者とのやり取りを別の先生に替えるのは難しいんだ……」
「動画流すよー。みんな座ってー」
灰田の愚痴を聞き流しながら、愛香が動画を再生した。部員たちは自然といつもの席に落ち着き、それぞれ前方のスクリーンへ視線を向ける。一輝と大雅は前の方、海斗と翔、藤也がその後ろ。
メイサも最後列でノートを広げ、隣の愛香とともに食い入るように試合映像を見つめた。
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