彼らの夏が終わる

 その日の昼休み、一輝は早くもその意味を理解した。

 一輝は弁当を机に置き、向かいで神妙な顔をして座る大雅を見た。


「なあ、大雅」

「……皆まで言うな」


 大雅もまた、同じことを理解していた。

 メイサの言った「くると思うよ」の意味を。


「あのさ、太ももがアホほど痛いんだけど」

「皆まで言うなと言っただろうが。俺は腹筋が痛い。くっそ、『くる』って筋肉痛かよ……あー痛え」


 大雅はスマホを取り出し、バスケ部のグループラインに『筋肉痛ヤベえから、午後練休んでもよいでしょうか』と送った。

 一瞬で既読が二件つき、『いいわけないじゃん』『駄目だよって、一輝にも言っておいてね』『二年どももだよ』『痛みの分だけ強くなれるから頑張ってね』と、返事を打つ間もないほど立て続けにマネージャー二人からメッセージが届いた。

 弁当をつつきながらスマホの通知を見ていた一輝は、がっくりと肩を落とした。


「いや、はえーよ。ちったあ心配しろよ……」

「こうなるって、愛香も三枝さんもわかってたっぽいし……」


 二人は顔を見合わせてちょっと笑った。

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