藤也は運動部の部室棟に初めて足を踏み入れた。
藤也が所属する園芸部は大所帯にもかかわらず部室がない。代わりに中庭には専用の倉庫があり、ジョウロやホース、肥料などがしまわれている。さらに中庭にはベンチやテーブルがいくつも並び、放課後になると園芸部員たちでにぎわっていた。
だから、藤也は運動部の部室がどういうものか、考えたこともなかったのだ。
「臭せえ……汚ねえ……」
部室内に入った藤也は顔をしかめた。
部室棟は二階建てで、一階が男子用、二階が女子用になっている。通路はそれほどでもなかったが、部室へ一歩足を踏み入れた途端、むっとした空気と散らかった室内が目に飛び込んできた。
しかし、他の四人は慣れた様子で、気にすることもなく着替え始めた。
海斗が体操着を脱ぎながら首をかしげた。
「そうか? こんなもんじゃん?」
「男子バレー部もこんなんだったよ」
「男子サッカー部は人数多いし、マネージャーが厳しいからちょっとマシらしいけど」
「マジか……」
藤也は絶句したまま窓を開け、新鮮な空気を取り込んでから着替え始めた。
「あ、須藤のロッカーここな」
大雅に言われて、藤也は軽く頭を下げた。
「ありがとうございます。あの、掃除してもいいですか? ……いや、します。させてください」
「掃除道具とかないけど」
苦笑する大雅に、藤也は唸った。
「心当たりがあるので借りてきます。えっと、昼休みってここ、開いてますか?」
「施錠するけど、そういうことなら鍵、貸しておこうか。別にこの四人しか出入りしないから、大したもん置いてねえし」
一輝がそう言ってカギを藤也に放った。
藤也はスマホを取り出すと、メイサへ泣き言混じりのメッセージを送った。
藤也が所属する園芸部は大所帯にもかかわらず部室がない。代わりに中庭には専用の倉庫があり、ジョウロやホース、肥料などがしまわれている。さらに中庭にはベンチやテーブルがいくつも並び、放課後になると園芸部員たちでにぎわっていた。
だから、藤也は運動部の部室がどういうものか、考えたこともなかったのだ。
「臭せえ……汚ねえ……」
部室内に入った藤也は顔をしかめた。
部室棟は二階建てで、一階が男子用、二階が女子用になっている。通路はそれほどでもなかったが、部室へ一歩足を踏み入れた途端、むっとした空気と散らかった室内が目に飛び込んできた。
しかし、他の四人は慣れた様子で、気にすることもなく着替え始めた。
海斗が体操着を脱ぎながら首をかしげた。
「そうか? こんなもんじゃん?」
「男子バレー部もこんなんだったよ」
「男子サッカー部は人数多いし、マネージャーが厳しいからちょっとマシらしいけど」
「マジか……」
藤也は絶句したまま窓を開け、新鮮な空気を取り込んでから着替え始めた。
「あ、須藤のロッカーここな」
大雅に言われて、藤也は軽く頭を下げた。
「ありがとうございます。あの、掃除してもいいですか? ……いや、します。させてください」
「掃除道具とかないけど」
苦笑する大雅に、藤也は唸った。
「心当たりがあるので借りてきます。えっと、昼休みってここ、開いてますか?」
「施錠するけど、そういうことなら鍵、貸しておこうか。別にこの四人しか出入りしないから、大したもん置いてねえし」
一輝がそう言ってカギを藤也に放った。
藤也はスマホを取り出すと、メイサへ泣き言混じりのメッセージを送った。



