スー女の執念

 推し力士の熱狂的なファンである彼女の部屋は、彼の写真やグッズで埋め尽くされている。最近、彼が不調なのが耐えられない。
「ずっと近くで見守っているからね」
 翌日の取組。土俵上の彼は、誰もいないはずの観客席の一角を凝視し、恐怖に顔を歪めた。
 その夜、彼が一人で眠る所属部屋の個室の鏡に、彼女の指紋がびっしりと付いていた。彼はまだ気づかない。彼女が、その鏡の中から彼を見つめていることに。