振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


わぁ、光くんだ…。


心臓が一気にうるさくなる。

どうして。

こんなに人が多いのに、気づいたんだろ。

「……」

気づけば足が止まっていた。

周りの音が少し遠くなる。

光くんがこちらを見た気がした。

その瞬間。

視線が、まっすぐぶつかった。

(……あ)

何も考えられなくなる。

逃げようとも、動こうともできない。

ただ立ち尽くすだけ。