朝から、校内はいつもと違う空気だった。 「澪ー!早く来て!」 「うん!」 走る廊下。 飾り付けされた教室。 カラフルなポスターと、甘いお菓子の匂い。 文化祭当日。 「緊張してる?」 隣で咲が笑う。 「してないよ」 「顔、固いけど」 「……それは否定できない」 咲は楽しそうに笑った。 「大丈夫だって!楽しも!」 その言葉に、小さく頷く。 (うん……楽しむ日) そう思おうとしていた。 でも—— 胸の奥に引っかかっているものがある。