振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。

光side


「光、これどっちに貼るの?」

「知らね。」

「お前適当すぎだろ」

「どっちでもいいんじゃね?」

文化祭準備の教室は騒がしかった。

壁には模造紙、机の上にはペンキ、段ボールの山。

普段よりずっと人が多いのに、なぜか落ち着かない。

理由は分かってる。

(……東高校。)

その単語が、頭から離れない。

「なぁ光。」

樹が隣に座る。

「なんだよ。」

「お前さ、分かりやすすぎ。」

「何が。」

「顔。」

「別に。」

「別にじゃねぇ。」

ため息が聞こえる。

俺は視線をそらした。