振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。

光side

季節は秋

教室の窓は少しだけ開いていて、そこから入る空気は冷たかった。

「光ー。」

机に突っ伏していた俺の横から、樹の声がする。

「……なに。」

「起きろ。ホームルーム。」

「起きてる。」

「どう見ても死んでる。」

うるさい。

そう思いながらも、体は動かない。

最近ずっと、頭の中がうるさい。

理由は分かってる。

——澪ちゃん。

あの日カラオケで再会してから、何度も思い出す。

「また会えて嬉しい。」

つい、感情が高まって漏れた言葉。

たった一言なのに、ずっと残ってる。