振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


その時だった。

廊下から女子たちの興奮した声が聞こえてきた。

「ねぇ知ってる?」

「西高校にさー!めちゃくちゃかっこいい先輩が居るらしいよ!」

「本当に!?」

「めちゃくちゃかっこいいって有名なんだよ!」

「え!写真撮りたい!」

「一目見たい!」

その名前が耳に入った瞬間。

私の手が止まる。

パンを持つ手に力が入った。

「澪?」

咲が不思議そうに首を傾げる。

「どうしたの?」

「……ううん。」

私は小さく首を横に振った。

その気持ちは、確かにある。


(めちゃくちゃかっこいいって篠宮先輩なのだろうか……。)

私は次会った時どんな顔をすればいいんだろう。