「あのさ……。」 「うん?」 「今日、一緒に帰らない?」 「あ……ごめんね。」 私は申し訳なさそうに首を横に振る。 「今日は咲と用事があるんだ…。」 「そっか……。」 男子は少し残念そうに笑って、 「また今度誘う。」 と言って教室を出ていった。 その背中を見送ると、 「……また?」 咲がニヤニヤしていた。 「何がー?」 「今ので何人目?」 「何人目って?」 「今年に入って誘われた回数。」 「数えてないよ。」 「私は数えてる。」 咲は指を折りながら数え始める。