振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


「カラオケの日から澪、なんか変だもん。」

「変じゃないよ。」

「変!」

「変じゃない。」

「じゃあ何で顔赤いの?」

「……。」

言い返せない。

まさか元彼だなんて言えるはずもない。

「ねぇ。」

咲が少しだけ真面目な顔になる。

「あのさ。」

「うん?」

「篠宮先輩って、本当に中学で少し話しただけ?」

胸がドキッと鳴る。

「……。」

答えられない。

「あの日さ。」

咲は少し考えるように言葉を選んだ。

「篠宮先輩、澪のこと見る目が他の子と全然違ったし」

「え……?」

「私ね。」

咲は小さく笑う。