振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


「咲ちょっと、お手洗い行ってくるね。」

咲にそう声をかけて部屋を出る。

「うん!行ってらっしゃい!」

部屋のドアが閉まると、一気に静かになった。

「……はぁ。」

思わず大きく息を吐く。

緊張しっぱなしだった。

まさか光くん……いや、篠宮先輩に会うなんて思わなかったから。

鏡を見る。

「私顔、赤い……。」

冷たい水で手を洗い、何度も深呼吸をする。

落ち着こう。

もう私は中学生じゃない。

しかも篠宮先輩もうただの先輩。

それだけ。