「2年前に、経験してる。」 「光……。」 「でも。」 顔を上げる。 部屋の扉の向こうには、澪ちゃんがいる。 「今このチャンス逃したくない。」 樹は何も言わなかった。 ただ、小さくため息をついて。 「……バカ。」 そう呟くと、俺の肩を軽く叩いた。 「そんな心配すんな、そんな俺は弱くない。」 「わかってるわ、あほ。」 扉の前に立つ。 深呼吸を一つ。 2年前にはもう戻れない。 でも。 今日から、新しく始められるかもしれない。 そんな小さな希望を胸に、俺はもう一度、部屋のドアを開けた。