振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


理由も教えてもらえないまま終わった恋だ。

もしかしたら、もう何とも思われてないかもしれない。

それでも。

もう一度また話せるなら。

笑ってくれるなら。

今度こそ、ちゃんと聞きたい。

「あの日、どうして別れようって言ったの?」

その答えを。

カルピスを入れたグラスを握り直し、部屋へ戻ろうとした、その時だった。

「光。」

聞き慣れた声が後ろからした。

振り返ると、壁にもたれかかるように立っていたのは樹だった。

「……なんだよ。」

「お前さ。」

樹は呆れたように笑う。