すると光くんは私の前へ回り込み、そっと目線を合わせた。 「澪ちゃん。」 「……。」 「今日、俺が欲しいチョコは一つだけ。」 「え?」 「澪ちゃんからもらうチョコだけだよ。」 その一言で、さっきまで胸の中にあったもやもやが、嘘みたいに溶けていく。 「だから。」 光くんは幸せそうに笑った。 「俺、今年一番の勝ち組なんだよー。」 「もう……。」 私は思わず笑って、小さな紙袋を差し出す。