振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


「そんなこと言われたら、もっと好きになっちゃう。」

「……っ」

「俺も、もう二度と澪ちゃんの事離さない。」

迷いのない、まっすぐな瞳。

私は小さく頷いた。

「はい。」

すると光くんは照れくさそうに笑う。

「……もうちょっとだけ。」

「?」

「もう一回、ぎゅーして。」

「ふふっ。」

私は何も言わず、もう一度光くんを抱きしめた。

「……これで安心。」

「甘えん坊ですね。」

「澪ちゃん限定。」

その答えが可愛くて、思わず笑ってしまう。

冬の風が二人の間を優しく通り抜ける。