振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


「今日は私が、いっぱい光くんを甘やかします。」

「ほんと?」

「はい。」

私はそっと光くんの髪を撫でる。

「いつも頑張ってて偉いです。」

「……。」

「たくさん我慢してて偉いです。」

「……うん。」

「それから。」

私は優しく微笑んだ。

「ずっと私を大切に想ってくれて、ありがとうございます。」

光くんは照れたように笑う。

「それ言われると弱い。」


「まだありますよ。」


「え?」


「私をずっと好きでいてくれて、ありがとうございます。」


「……澪ちゃん」


「もう二度と、一人で泣かせません。」

その言葉を聞いた瞬間、光くんの瞳が少しだけ潤んだ。

「……ずるい。」

小さく笑いながらそう呟く声は、少しだけ震えていた。