振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


「見て……篠宮くんが笑ってる。」

「初めて見た……。」

「あれが噂の彼女さんなんだね。」

そんな声が聞こえてきて、思わず顔が熱くなる。

光くんは周りなんて気にした様子もなく、私の手をそっと握った。

「行こっか。」

「はい!」

手のひらから伝わる温もりが嬉しい。

歩き始めると、光くんが少し照れたように笑う。

「今日のクリスマスイブ。」

「はい。」

「もう最高のスタートになった。」

イルミネーションが少しずつ灯り始めた冬の夕暮れ。

恋人になって初めて迎えるクリスマスイブ。

手を繋いで歩き出した私たちの特別な一日は、まだ始まったばかりだった。