振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


「そ、そっか……。」

女の子たちは少し寂しそうに笑って、その場を離れていく。

私はその後ろ姿を見つめた。

(……。)

こんな光くん、初めて見た。

中学生の頃は、もっと誰にでも優しかった気がする。

でも今は違う。

優しいままだけど、ちゃんと一線を引いている。

その姿を見て、高見先輩の言葉を思い出した。

『色んな女紹介したけど、全部フルシカト。』

(……本当だったんだ。)

胸の奥がじんわりと温かくなる。

その時。

光くんはスマホを取り出して、小さく呟いた。

「澪ちゃん、待たせちゃってるかなぁ……。」

その声は、さっきまでとはまるで別人だった。

優しくて。

甘くて。

大切な人を想う声。