振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


「校内で『校門に可愛い子がいる』って噂になってたけど、冴木さんだったのか。」

「えっと……光くん迎えに来ちゃいました。」

そう言うと、高見先輩は一瞬ぽかんとして。

次の瞬間、大きく笑った。

「ははっ! それ絶対あいつ喜ぶわ。」

「内緒なんです。」

「サプライズか。」

高見先輩は笑いながら校舎を見る。

「委員会もうすぐ終わると思う。」

「ありがとうございます!」

「あ、それと。」

高見先輩は思い出したように笑う。

「今日の光、朝からずっとソワソワしてた。」

「え?」

「『今日クリスマスイブだから!』って朝から何回も言ってた。」

思わず笑ってしまう。

(そんなに楽しみにしてくれてたんだ。)

「じゃ、俺バイトあるから。」

「ありがとうございました!」

高見先輩は軽く手を振って駅の方へ歩いていった。