街には朝からクリスマスソングが流れ、駅前には大きなツリーが飾られている。
そんな日に、光くんと放課後デートをする約束をしていた。
待ち合わせは午後五時。
駅前で会う約束。
朝からそのことばかり考えてしまって、授業もどこか上の空だった。
(今日、光くんに会える。)
そう思うだけで、一日が特別になる。
◇◇◇
放課後。
終礼が終わると同時に、スマホが震えた。
『澪ちゃん、ごめん!』
光くんからだった。
すぐに開く。
『今日、急に委員会入っちゃって少し遅れそう…。終わったらすぐ向かうね。待たせちゃってごめん。』
文章の最後には、しょんぼりした犬のスタンプ。
思わず頬が緩む。
(光くんらしい。)
でも──
(駅で待つより……。)
ふと、一つの考えが浮かぶ。


