振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


冷蔵庫を開けると、卵やお米、ほうれん草が入っている。

「よかった。」

私は鍋を借りて、ゆっくりと卵粥を作り始めた。

ぐつぐつと優しく煮える音。

部屋中に温かい香りが広がる。

二十分ほどして、

「光くん。できました!」

お盆にお粥とお茶を乗せて部屋へ戻る。


「自分で食べられそうですか?」

そう尋ねると、光くんは少ししんどそうに笑った。

「あは、無理そう〜!」

「じゃあ、私が食べさせますね」

「え、ほんとに?」

「はい。」

「……。」

「嫌ですか?」

「嫌なわけない!」

勢いよく答えてから照れたように笑う。

「じゃあ……お願いします。」

その姿が可愛すぎて、私まで笑ってしまう。

お粥をふーっと冷まして、

「はい、あーん。」

少し恥ずかしくなりながら口を開く。

光くんも耳まで赤くしながら、

「あーん。」

ぱくっと口に運ぶ。

もぐもぐと噛んで、

「……おいしい。」

本当に嬉しそうに笑った。