振ったはずの元カレが、今でも私を離してくれません。


「じゃあ安心して寝れる。」


「はい、安心して寝てください。」


「わかった。」


そう言って、もう一度ぎゅっと抱きしめてくる。


「澪ちゃん、好き。」


「……。」


「だいすき。」


私は思わず笑ってしまう。


「熱があると、もっと素直ですね。」


「元気な時でも言ってるよ。」


その返事がおかしくて、また笑ってしまった。


看病しに来たはずなのに。


気づけば、私の方が甘やかされている気がする。


でもこんなふうに必要としてくれることが、嬉しくてたまらなかった。